もくじ
防犯対策とは、起こり得る可能性の全てを想定し、それに対する対策を前もって準備することです。大事なことは、むやみやたらに怖がるのことではなく、きちんとした対策を講じ、自分を守る基本を踏まえた上でこれで大丈夫、と自分を確信できることです。
どんなにお金をかけてグッズを揃えたところで、自分に自信がなく不安ばかりが生じているのではなにも意味がありません。海外に出た場合に、どのように自分の身を守っていくべきなのかについて、心構えを含めてご紹介していきます。
海外で巻き込まれやすい犯罪は?
犯罪に遭遇する可能性を低めるためには、まずは実際に起きている事例について把握することが肝要です。
これからご紹介するのは、海外で実際に起きている犯罪の手口についてですが、これら全てが何がなんでも我が身に降りかかってくる、と脅かしているのではないことにご注意ください。
テロ
最近のテロ行為は、国籍、性別、年齢を問わず多数の犠牲者を出すことでメディアにより大きく取り上げられて、世界的な宣伝効果を高めようとする傾向にあります。
そのため彼らの標的は、観光客が多く集まる国際都市だったり、イベント会場、ショッピングセンター、公共交通機関等人が大勢集まる場所となります。1997年にエジプトの有名な観光地ルクソールで、日本人10人を含む観光客60人がテロリスト・グループに発砲され、死亡した事件は未だ記憶に新しい事例です。
窃盗・強盗
夜間に、人通りの少ない通りを歩いていたら突然銃を突き付けられて金品を奪われたり、暗がりに引きずり込まれて暴力を振るわれ荷物を強奪された、という事例はよく聞きます。
またはよく確認をしないで無許可営業のタクシーに乗り込んでしまい、暗い路地で車を停められ、運転手に凶器で脅されて所持品全てを奪われた、空港に到着して自分の名前の書かれたプレートを持つ人の後について行ったら、車中で凶器を出され金品を奪われた、というケースも多々見られます。
最近では、ひとりで歩いていると、人気がなくなった瞬間に後ろからいきなり首を絞められ、あっという間に貴重品を盗まれてしまう例も増えているそうです。
誘拐
治安の悪化している場所では、いかなる瞬間でも外国人を狙った組織による誘拐が起こり得ます。テロリスト集団の場合は、活動資金獲得のための身代金が目的ですが、純粋に誘拐を商売としている犯罪組織も存在しています。
スリ、ひったくり、置き引き
これがいちばん被害に遭いやすい犯罪の手口です。プロのスリは、人に気付かれずに実に見事な手口で、お財布だけを抜き取ります。2人組の場合も多く、例えば、一人がアイスクリーム、スプレー等をわざと人の服に着け、もう一人が親切に服を拭いてくれる間にお財布を抜き取る、前を歩いている人が突然つまずき、立ち止まった瞬間に後ろの人にぶつかり、その瞬間に抜き取られる、等です。
ひったくりについては、ショルダーバック等を肩にひっかけて歩いていると、後ろから2人連れのバイクが近寄ってひったくって行くのは、よくある事例です。置き引きについては、空港、ホテルのロビー、バイキング形式のレストラン、列車の横の席に荷物を置く、等様々な場面でちょっと気がそれてしまった隙に盗まれてしまう例がよくあります。
海外出張時の防犯対策
防犯対策の心得のポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
- 正確な情報を収集し、万全を期して出発すること
- 自分の身は人任せにせずに自分で守るべき、という自己責任を持つこと。
- 防犯のためのグッズをそろえること
正確な情報を収集し、万全を期して出発すること
私の体験ですが、その昔初めてひとりでイタリア観光をした時に、日本で「イタリアは泥棒の国」だとか、「町はスリだらけ」とか「トランクは中を開けられるよ!金目のものは絶対入れちゃだめ」とかみんなから散々脅されて出発したため、かちんこちんに緊張して、道行く人がみな泥棒に見えてしまい、せっかくの観光を楽しむどころの騒ぎではありませんでした。
あの時代にもしインターネットがあり、事前に正確な情報を収集出来ていれば、このような事態は避けられていたと思います。
ということで、まずは信頼できる外務省のホームページで正確な情報を把握しましょう。
最近、外務省では楽しみながら海外防犯について学べる「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」が作成され、話題となっています。
ゴルゴ13が再三強調しているのが、「たびレジ」の登録です。「たびレジ」とは、3か月未満の短期海外出張者が、旅行日程、滞在先、連絡先などを登録することで、滞在先の最新安全情報や緊急事態発生時のメールなどを受け取れるシステムです。あらかじめ登録が必要なため、出張の詳細が決まり次第登録しておくと良いでしょう。
海外出張時の安全対策に役立つ外務省ページについては、こちらでまとめてご覧いただけます。
自分の身は人任せにせずに自分で守るべき、という自己責任を持つこと。
防犯に限らず自分のことは自分で考え、自分自身に最大限の責任を持ち、決して人任せにはしない、という覚悟は人生のいかなる瞬間にも必要なことだと思います。
上記の通り、かつてはイタリア人が皆泥棒に見えてかちかちに緊張していた私ですが、今ではすっかり馴染んでイタリア生活を楽しんでいます。だからといって、用心を怠っているわけでは決してありません。小さなことですが、たとえばショルダーバックを持って外出する時は必ずたすき掛けにしていますし、人混みに紛れてしまう時は、常に自分の荷物のファスナーがしっかり閉まっているかどうか確認をしています。列車で移動の最中に眠くなった時には必ずリュックの肩掛けを腕に巻き付けて居眠りするようにしてますし、自転車で外出する時は、バックの肩掛けをハンドルに引っかけて、容易にひったくりが出来ない対策もしています。
スリや泥棒に、容易に盗むことが出来ないように見せること、これもまた大切な防犯対策だと思います。
防犯のためのグッズを揃えること
防犯グッズはあくまでも、それを使用することによる安心感を得るために必要な道具だと解釈しましょう。不安でいたり怖がっていると、その雰囲気は周りに伝わり、犯罪者たちの気をかえって引くことになります。繰り返しになりますが、自分の身は自分で守るべしと心得ること。海外に出ても、堂々と振舞うこと。
「君子危うきに近寄らず」の格言通り、犯罪が起きやすい場所、夜間の暗い場所や治安の不安定な地域に近づかないことや、見知らぬ人を信用しないこと。この心構え自体が、最大の防犯になることを心得ましょう。
犯罪に巻き込まれた時の対処法
まずいざという時に連絡できるその国の日本大使館や日本領事館の電話番号を前もって調べておきましょう。大使館、領事館の使命は何よりも日本人の無事を確保することです。スリやひったくり、盗難にあった場合には必ず連絡を取り、対処法を教えてもらいましょう。
その際に書類作成のために地元の警察にも通報する必要が生じるので、どのように通報したらよいかのアドバイスも受けて、通報しましょう。
極端な話として万が一誘拐されてしまった場合でも、決して犯人の写真や動画を撮ったり、抵抗をしてはいけません。何と言っても相手は犯罪のプロです。何よりも大切なのは私たちの命です。身ぐるみはがれたとしても、命が助かればそれに越したことはありません。
感染対策
犯罪とは異なりますが、日本からの入国を禁止されている感染の増えている国にどうしても行かざるを得ない場合でも、「自分の健康は自分で守る」という心得が何よりも重要となります。
こまめに手を洗い、うがいをし、マスクを付けてなるべく人ごみを避ける、心配や不安にならずにストレスを溜めないこと、しっかり睡眠をとる、お気に入りの音楽や本を持って行き夜はリラックスを心がける等、過度に神経質になるのではなく、自分がなるべく気持ちよく過ごせる環境を自分で作る工夫が必要です。
おすすめの防犯アイテム
防犯ブザー、ホイッスル
いざという時に簡単に操作できるものが最適です。大きな音を出すことにより、相手が驚いて遠ざかる効果があります。
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南京錠・ワイヤーロック
大事な荷物や貴重品の入ったポーチが容易に開けられなければ、犯罪者も盗む気が起きなくなるでしょう。
セキュリティーポーチ
パスポート、スマホ、お財布等の貴重品を閉まっておくのに最適。ただ、必ず服の下に付ける事が大事です。
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隠しポケット
セキュリティーポーチより、よりコンパクトに服の下に隠せます。
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スキミング防止カード
スキミングとは、クレジットカードなどについている磁気ストライプをスキマーという機械で不正に読み取ってカード情報を抜き取り、全く同じ情報を持つクローンカードを複製して悪用する犯罪のことです。このカードをお財布の中に入れておくだけで、スキミング防止の効果があります。
まとめ
いかがでしたか?防犯対策とは、まさに「備えあれば患いなし」のための対策であり、患いや不安、心配を持たずに安心して海外に出ていくための準備だと思います。
繰り返しになりますが、行先の治安をよく把握し、決してリスクの高い場所には近寄らない、見知らぬ人には決して近寄らない、所持品を安全に持ち歩くためのグッズを揃え、何よりも自分に対する責任を持って、堂々と振舞いましょう。
海外に出るということは、日本にいたのではなかなか学べない体験が出来る大変貴重な機会であると思います。どうぞ充実した海外出張を実現してください。
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