蔡・マッカーシー会談から読み解く台湾渡航リスク

地政学リスクニュース 蔡・マッカーシー会談から読み解く台湾渡航リスク

エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。

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4月に入り、台湾を巡って再び緊張が高まっています。台湾の蔡英文総統が4月5日、カリフォルニア州で米国のマッカーシー下院議長と会談し、経済と安全保障の両面で連携を強化していくことで一致しました。

中国は強く反発

発射されたミサイル

しかし、今日、台湾との統一を掲げる中国は強く反発しています。中国は4月8日から3日間の日程で軍事演習を行うと発表し、中国軍は台湾の北部や東部、南部などで一斉に軍事演習を活発化させ、台湾は中国軍に包囲されるかのような緊張に直面しています。4月9日にも戦闘機などのべ70機が台湾周辺を飛行し、うち35機が事実上の国境となっている中台中間線を超えました。

また、4月6日には、中国海軍の空母「山東」やフリゲート艦など合わせて3隻が台湾南部のバシー海峡を航行し、西太平洋に向かう姿が確認されました。山東は2019年に就役した中国で初めての国産空母で、太平洋での航行が確認されたのは初めてとなりました。

昨年8月はじめにも、当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問したことで、中国は台湾本土を包囲するかのような大規模な海上軍事演習を行い、大陸側からは複数のミサイルが打ち込まれ、一部は日本の排他的経済水域に落下しました。中国大陸に近い台湾離島へは次々に正体不明のドローンが飛来するなど、不気味な動きも見られました。

現時点でこれ以上緊張が高まる可能性は低い

台湾の地図

最近の軍事的緊張について、台湾も米国も既に中国側に自制を求めるよう呼び掛けていますが、中国は台湾との統一は絶対に譲れない政策と位置づけており、むしろ緊張を高めているのは台湾であり米国だと強く非難しています。では、今後台湾へ渡航するビジネスマン、台湾へ進出する企業はこれをどう捉えるべきでしょうか。

まず、海外危機管理、海外経営という視点から考えた場合、現時点でこれ以上緊張が高まる可能性は低いと思います。

理由はいくつかありますが、1つに、台湾も中国も米国も決して戦争をしたいわけではありません。経済のグローバル化が進んでいる今日、仮に3カ国間で戦争が発生すれば、それぞれが被る経済的損害は計り知れません。特に、今日習政権の中国は3年間に及んだゼロコロナにより、経済成長率が鈍っており、国民の習政権への社会的、経済的不満が強まっています。習政権としては国民の怒りの矛先が自らに向くことは避けたいので、何とか経済成長を再び活気づける必要性に迫られています。

よって、台湾有事となれば経済への悪影響は避けられないことから、現時点ですぐに軍事侵攻という決断は下せない状況にあります。

まとめ

よって、台湾を取り巻く軍事的緊張があるからといって、たとえば明日明後日、来週に予定している台湾渡航をキャンセルする必要性はないでしょう。

基本的に、戦争勃発のリスクは一般犯罪に巻き込まれるよりはるかに低いです。しかし、この緊張は間違いなく長期化するので、年単位での動向には注意が必要です。習政権が軍事侵攻する時期について、3期目が終わる2027年までに発生するとの指摘も専門家の間では少なくありません。長期的視点で、台湾渡航リスクをみていく必要があります。

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