もくじ
初めての海外出張で、現地の人へのお土産に何を持っていっていいかわからない。どうせ持っていくのなら、喜ばれるものを持っていきたい。とお悩みの方に向けて、海外出張時のお土産選びのポイントをまとめました。
海外のビジネスパートナーへのお土産について
初めての海外出張で相手が勝手知ったる日本人なら、大体どんなものを持って行っていいか予想はつくけれど、言葉も習慣も違う相手では、どんなものが喜ばれるのかもう途方に暮れてしまう…そんな経験がありませんか?
お土産選びに悩んでしまったら、まずは「手土産を持って行く」習慣は、日本以外の国、特に欧米諸国にはあまり見られるものではないと安心してください。
「こんなものを持って行ったら、かえって気を悪くするかも」とか「ケチったと思われるかも」とか心配する必要はまったくありません。
お土産を渡すのは、日本人特有の「相手を気遣う思いやり」の表われです。そういう習慣のない国の人にとっては、中身のうんぬんではなくお土産を受け取るただそれだけで、わたしたちの気持ちを感じて好感を抱くのではないでしょうか。
日本では、ありとあらゆる機会に贈り物をする習慣があります。お中元、お歳暮はもちろん、遠出をしたらお土産を買い、誰かのお宅にお邪魔する時には必ず手土産を持参します。
初対面の人でも、これからお世話になる場合には必ず「よろしくお願いします」の意味を込めて、お土産を渡します。古くからの、相手を敬い思いやる日本人の心情がよく出ている風習なのです。
手土産を持参すること自体が、相手の国にはない日本の古き良き習慣をアピールする、絶好の機会です。実際にお土産を選ぶにあたっては、どんな点に注意したらよいのかをご紹介していきます。
お土産選びのその前に、知っておきたい3つのこと
ポイント① 「日本らしさ」にこだわり過ぎない
わたしは以前イタリア人と一緒に働いていました。始めのうちは、どこかに出かけたり、日本に里帰りするたびに、せっせとお土産を買って持って行きました。が、そのうちそんなことをするのは、日本人であるわたしだけであると気が付いたのです。
しかも「これはイタリアにはない日本っぽいお菓子だから、みんなに受けるだろう!」と気負って和菓子的なものを買っていくと、かえって受けが悪いことにも気が付きました。
「イタリアにはない日本だけのもの」ということは、イタリアでは目にする機会のないいわば彼らにとって未知のものでもあります。人はその人の性格にもよりますが、大概未知のものには警戒心を抱きます。
そこで、彼らには馴染みがある洋菓子的なものの方が受けるだろうと思い付き、その次の里帰りにはカステラを買っていきました。すると「日本のお菓子って美味しいね!」と手のひらを返したように受けまくったのです。馴染みのあるスポンジケーキでありながら、風味が日本風であるところが受けたのだと思います。
日本は古来から、外来のものを日本のものとして昇華させてきた伝統があります。
オリジナルの姿を残しながらも日本風にアレンジされたものをお土産にもっていくことによって、相手に親しみをもってもらえ、喜ばれるでしょう。
ポイント② 日本といえば… 誰もが思い描く日本のイメージを形にしたお菓子をえらぶ
外国人の思い描く典型的な日本のイメージといえば、フジヤマ、サムライ、キモノ… と言ったところでしょうか。
着物を着た侍が食べるのは、当然おすし。日本食ブームのおかげで、今ではどんな小さな町にも必ずSushiレストランが開かれています。
誰もが知っているおすしや、フジヤマ、キモノの形をしたお菓子だったら、目を引くことは確実です。
どんな形でも手を抜かずに精巧に作ってしまうのが、日本人。お菓子を通じて世界に誇る日本人の持つ器用さを、ぐっとアピールできると思います。
ポイント③ 日本の匠を生かしたきめ細やかさにこだわる
日本の文化をひとことで表すならば「きめ細やかさ」だと私は思います。
どんな分野でも発揮される日本人の器用さと精巧さは、他のどの国にもまねができない日本の特性です。
日本語では、食べる前にまず目で楽しむことを「目で食べる」という言い方をします。
お土産に選ぶのなら、日本の匠が発揮された「目に麗しい」ものを選ぶことも、ポイントのひとつだと思います。
たとえ相手にとって馴染みがないたべものでも、美しさと匠さで相手の心を惹きつけること間違いなしです。
お土産選びは相手国の宗教や文化に配慮を
日本には日本の歴史と風習があるように、各国には各々の歴史と風習があります。日本では良しとされている風習が相手国ではタブーだったりもするので、注意しなくてはなりません。
たとえば、イスラム教徒の国。彼らにとって「豚」「アルコール」「血液」「宗教上の適切な処理が施されていない肉」がタブーとされています。生肉を手土産に持っていく人はまずいないでしょうが、佃煮のような加工肉食品でももうアウトです。特に豚は徹底的に不浄な生き物とされ、「ブイヨン」「ゼラチン」「肉エキス」「ラード」など豚の肉や骨、油の使用されているものはNG。豚のイラストが描かれていてもだめだそうです。
お酒に関しては、みりんのようなアルコールが含まれる調味料で味付け、香り付けに使われていてもNG。ブランデーやウイスキーなどのお酒の入ったお菓子もいけません。事前に相手の宗教・文化を確認し、失礼のないお土産選びを心がけてください。
お土産選びの3つのポイント
さて、お土産選びの際に心がけたいポイントを学んだところで、次はお土産選びのポイントをご紹介します。
今回はポイントを3つに絞り、さらにおすすめのお土産もご紹介していきます。
ポイント① 誰もが知っている日本食品を「テーマ」にする
外国人の知っている日本の食べ物ナンバーワンは、何と言ってもおすし!たとえ生魚が食べられない!とおすし自体を拒否する人でも、おすしの形をしたお菓子であれば、大丈夫!受けること確実です。
余談ですが、私のイタリアの友人はどら焼きが大好きで、今では自分で作ってしまうほどです。なぜ彼女がどら焼きの存在を知ったかというと、アニメの「ドラえもん」がイタリアで放映され、大ファンになったから。
これは特殊な例ではありますが、相手の国で今流行っている日本の食品を調べ、そっくりに作られたお菓子を探すのも、ひとつの手です。相手のびっくりする顔を想像するだけで、もう楽しくなってきますね。
飴で作られたおすし・寿司飴
ひとくちサイズの寿司あられ
ポイント②「日本らしさ」にこだわり過ぎない、大事なことは和洋折衷
いくら「日本らしさ」にこだわり過ぎない方がよいと言っても、相手国でも手に入る食品をわざわざ持って行くのでは意味がありません。そこで和洋折衷食品をお土産にするのはいかがでしょうか。
たとえ生まれは外国でも、育ちはれっきとした日本である食品は、わたしたちのまわりに数多く存在します。和洋折衷自体こそが、実は「日本らしさ」とまで言えるかもしれません。
古くから伝わる和洋折衷菓子の代表は、なんといってもカステラとバウムクーヘン。
【文明堂東京】東京進出100周年特設サイト -カステラ広めて100th-|文明堂東京 (bunmeido.co.jp)
バームクーヘンmini - たねや・CLUB HARIE公式オンラインショップ (taneya.co.jp)
ポイント③ 本物にこだわる
ここまで「日本らしさ」にこだわり過ぎない方がいい理由を上げてきましたが、今度は逆を言います。徹底的に日本らしさを追及すべし!あれ?どうして?
と言いますのは、もし本気の「本物」であれば、たとえその人にとって前人未到未知のものであっても、高品質を前にしては人は賞賛せざるを得ないものだからです。
そのためには、それなりの価格でも覚悟をして、老舗の商品を選ぶ必要があります。これは、相手に「本物」を見抜ける力があるかの判断が出来るいい機会でもあります。今後のビジネスの在り方を決めていく大切な機会として、大いに活用しましょう。
江戸創業の老舗のお菓子もおすすめです!
1803年創業の京菓匠の老舗、鶴屋吉信
https://shop.tsuruyayoshinobu.jp/
660余年続く老舗菓子店、塩瀬総本家
https://www.shiose.co.jp/
海外クライアントにおすすめの食品系お土産4選
カジュアル長崎カステラ/長崎和泉屋
カステラの歴史は古く、17世紀に渡来したポルトガルの宣教師によって日本に伝えられ、その後日本の伝統菓子として生まれ変わりました。
この「カジュアル長崎カステラ」には、カステラ独特の風味に蜂蜜・抹茶・ココアの三つの味が加えられています。
日本の伝統菓子にまったく馴染みがない外国人にも、親しみを持って味わってもらえることでしょう。
青い富士山 バウムクーヘン/富士山プロダクト
外国人が抱く日本のイメージ・ナンバーワンであるフジヤマの形をしたバウムクーヘン、抹茶味。
バウムクーヘンが初めて日本で作られたのは大正6年のことで、捕虜として日本に来たドイツ人によって、焼かれたそうです。今では日本の代表的な洋菓子として、すっかり日本に定着しました。
着物しょこら/京都まるん
日本のキモノの柄を色鮮やかにプリントした、かわいらしいショコラクッキー。
製造元の京都まるんでは、この他にもカラフルで目に楽しい和風菓子をたくさん発売しています。
古都折々(干菓子詰合せ)/長久堂
四季折々の移り変わりを美しく表現するのが、日本の和菓子の特徴。
この干菓子でも、優しい色合いと細かな造形で各々の季節が表現されています。「本当に食べられるの!?」と驚かれ、受けること間違いなしです。
お土産を渡す際の「コミュニケーションの準備」もお忘れなく
こだわって選んだお土産だからこそ、相手に渡す際にお土産に込めた思いや背景を伝えたいものです。相手を特別に思っていることが伝われば、良好な関係を築くことにつながりますし、お土産をきっかけに様々な会話が広がるかもしれません。
ある程度の現地の言語を学んでおいたり、通訳者を依頼してより円滑にコミュニケーションがとれると、その後のビジネスがよりスムーズに進められます。お土産とともに、その後のコミュニケーションツールについても事前に準備しておきましょう。
海外向けビジネスをよりスムーズに行うために、専門サポートを受けることもおすすめです。OCiETe(オシエテ)ではビジネス展開に向けてリサーチや、海外企業へのアプローチなど幅広くサポートしております。海外ビジネスに関するお困りごとをぜひご相談ください。
まとめ
- 誰もが知らない日本らしさを追求するのではなく、相手に受け入れられやすい和洋折衷を選ぶ
- 誰もが描く日本のイメージを形にしたものを選ぶ
- 誰もが知っている日本の食品をテーマにしたものを選ぶ
- 目に美しい日本の匠が生かされたものを選ぶ
- 「本物の」日本の伝統を追求する
お土産選びのコツは、ただ日本でしか手に入らないものという観点からではなく、相手に受け入れられながら、なお日本の独自性がよく伝わるお土産を選ぶ、ということに尽きると思います。
手土産を渡す意味は「お会い出来て嬉しいです。どうぞよろしくお願いします」という感謝の気持ちを伝えることです。心を込めて渡すことで、日本の古き良き習慣をしっかり伝えましょう。そして、広い世界に向けて日本を発信していきましょう!
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海外出張は準備をするところから始まっています。お土産選びもその一環。その国を思い浮かべながら、楽しくお土産選びをしましょう。お土産選びの際に心がけておくべきポイントと、お土産選びの3つのポイントをお伝えします!