エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
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今月3日、中国の国家外資管理局が発表した7月〜9月の国際収支で、外国企業の直接投資がおよそ1兆7600億円マイナスになったことが分かりました。
統計が公表された1998年以降で初のマイナスとなり、これは外資企業の新たな投資よりも撤退や規模縮小が大きくなったことを意味し、1兆7600億円ほど中国からお金が逃げていったと想像すれば理解しやすいかと思います。
では、この背景には何があるのでしょうか。
新型コロナ流行によるゼロコロナの影響
まず、新型コロナ流行によるゼロコロナの影響が大きいでしょう。
中国ではゼロコロナが徹底され、企業のビジネス環境は大きく制限されました。社員たちもオフィスに行けなくなり、投資額に見合う利益が得られない状況がコロナ禍では続きました。
外国企業による中国への直接投資は、上海でのロックダウンがあった2022年4~6月期以降に鋭い落ち込みが見られるようになり、今回発のマイナスに繋がりました
貿易摩擦の拡大
そして、地政学的なリスクも外国企業の対中投資欲を大きく低下させています。
昨年10月、バイデン政権は先端半導体が中国によって軍事転用される恐れから、中国に対して半導体輸出規制を強化しました。そして、米国は今年1月、先端半導体に欠かせない製造装置で先端を走る日本とオランダに対し、同規制に同調するよう呼び掛け、日本は7月下旬から先端半導体関連23品目で対中規制を開始しました。
一方、中国は報復として希少金属ガリウムとゲルマニウムの輸出規制を厳格化し、日本産水産物の輸入を全面的に停止しました。
こういった貿易摩擦の拡大も、日本企業の対中投資欲を低下させていると思われます。
スパイの定義が大幅に拡大された改正反スパイ法
さらには、スパイの定義が大幅に拡大された改正反スパイ法があります。
今年もアステラス製薬の男性社員がスパイ容疑で逮捕されるケースがありましたが、改正反スパイ法の施行によってさらに在中邦人が拘束されるリスクが高まっています。日本企業の間でも、いつ我が社の社員が拘束されるか分からないと不安の声が広がっています。
最近では、現地の日系企業に勤務する中国人社員まで拘束されており、在中邦人は不安の中での生活を余儀なくされています。
まとめ
こういった3つの事情が、外国企業の対中投資欲を低下させていることは間違いありません。
今後、米中関係が大きく改善に向かう可能性は限りなくゼロに近く、今後も中国への直接投資は落ち込んでいく傾向が続くと考えられます。
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