先端半導体を巡る国際情勢

地政学リスクニュース 先端半導体を巡る国際情勢

エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。

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最近、先端半導体を巡る国際情勢が流動的に動いています。

トヨタやソニーなど日本を代表する製造業社が多額の資金を当てて誕生した次世代半導体の生産企業「Rapidus(ラピダス)」は今年2月、北海道千歳市に工場を建設し、2025年までに研究開発を進め、2027年から次世代半導体の量産を開始する計画を発表しました。

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先端半導体を巡って日本を取り巻く情勢

日本政府もラピダスに巨額の補助金を与えることで国内の半導体産業の復興を強化しており、研究開発から量産にいたる投資額は5兆円に上るとされます。

また、半導体受託製造の世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は6月、日本で検討中の2カ所目の工場について1つ目の工場と同じく熊本県での建設を予定していると明らかにしました。TSMCは生産拠点の分散を現在急ピッチで進め、ドイツでも工場建設を検討しており、ラピダスと研究開発の面で協力する意欲も示しています。

さらに、日韓関係が急速に改善する中、最近経済安全保障の分野でも進展が見られ、たとえば韓国のサムソン電子は300億円あまりを投資し、横浜に先端半導体の開発拠点を作る計画を明らかにしています。今年中には工場の建設が開始され、2025年の稼働が期待されています。

地政学的な懸念

このように、先端半導体を巡って日本を取り巻く情勢が大きく動き出しています。なぜ、これほど大きな動きが生じているのでしょうか。理由はいくつか考えられますが、大きく2つあります。

1つは、台湾有事を巡る緊張です。仮に中国が台湾をコントロールすることになれば、TSMCなど大手半導体企業はこれまでのように自由で公正なビジネスを継続できなくなるでしょう。

TSMCが持つ最先端半導体やその技術が中国に流出することになり、中国によってそれらが軍事転用される恐れを警戒する米国などは、台湾半導体企業にリスク回避の立場から製造拠点の分散化を推奨しています。TSMCが熊本に開発拠点を建設するのは、そういった地政学的な懸念があるからです。

先端半導体を巡る米中覇権競争

また、1つ目で少し触れましたが、先端半導体を巡る米中覇権競争があります。

簡単に現状を説明すれば、経済大国化する中国ですが、先端半導体分野では米国や台湾、日本などに比べ遅れを取っており、軍の近代化を目指す中国としてどうしても先端半導体を手に入れたいのです。

ハイテク兵器の開発には先端半導体が必要で、米国などは中国に対する半導体輸出規制を強化することでそれを阻止するとともに、米国は日本、韓国や台湾など同盟国や友好国と強靭で持続性ある半導体サプライチェーンを構築しようとしています。

まとめ

TMSCやサムソンが日本国内で半導体生産を強化しようとする背景には、こういった米中を巡る覇権競争があるのです。今後も先端半導体を巡って、米中だけでなく、日本や中国との間でも摩擦が拡大する可能性があるでしょう。

過剰に米中対立を深刻に考える必要は今日ありませんが、考えられるリスクを検討し、被害最小化のためリスク回避できる部分では対策を講じることも重要でしょう。

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