企業に求められる駐在員、出張者の早期退避

企業に求められる駐在員、出張者の早期退避

エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。

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イスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘は激しさを増す一方で、イスラエルからの国外へ退避する動きが広がっています。

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各国の退避の動き

イスラエルの国営エルアル航空は10月12日までに、ニューヨークやパリ、ローマやマドリード、イスタンブールとイスラエルを結ぶ臨時便を運航し、外国人の帰還を進めています。

また、ドイツのルフトハンザもイスラエルへ臨時便を飛ばし、チェコは政府専用機で自国民34人を乗せ無事に帰還したと発表しました。

また、10日時点で、米国のデルタ航空やアメリカン航空、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス、ルフトハンザ、エールフランス、ハンガリーのウィズエアー・ホールディングスなどが相次いでテルアビブ便の運航を停止し、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やエミレーツ航空などは9日も運航しました。

企業は外務省の危険情報をどう捉えればよいのか

一方、日本の外務省は10日、ガザ地区および境界周辺の危険度を「3」から「4」(退避勧告)に引き上げ、在留邦人の国外避難のためのチャーター機を飛ばすことを発表しました。

危険レベルが引き上げられたのは軍事衝突が勃発した7日から3日が経過した後になりましたが、外務省が引き上げを発表したことで今後日本人の退避、帰還もいっそう進むことでしょう。

しかし、ここでポイントになるのは、海外に進出する日本企業が外務省の危険情報をどう捉えているかです。実際のところ、外務省の危険情報に基づいて、退避かどうかを決定している企業が多いでしょうが、地政学リスクの視点から言えば、外務省のリスクレベルのみを基準にしていては、退避が遅れる、もっといえば退避できなくなる可能性があります。

まとめ 

今回、外務省が危険レベルを4にしたのは軍事衝突勃発の3日後です。

現時点で、イスラエルの空港から国外へ退避できる状況ですが、紛争によっては数時間、数日レベルで情勢が悪化する場合も考えられます。「外務省がまだレベルを引き上げていないから、とりあえず安全に気をつけて下さい」では済まされない状況も生じます。海外へ社員を派遣する企業にとって最も重要なのは社員の安全と命を守ることであり、そこに怠慢があってはなりません。

要は、企業は外務省のリスクレベルを基準としつつも、自らで情報を収集し、分析し、それを共有し、何かあれば一足早く退避させることが求められます。社員の安全は国が守るのではありません。企業自身が守らないといけないのです。

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