エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
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アフターコロナに入ったことから、語学留学など英国へ渡航する日本人の数が再び増加傾向にあります。英国は日本人の語学留学先だけでなく、駐在や出張で訪れる人々も多くいますし、在英邦人の数は６万人あまりとヨーロッパでは最多です。
今後も英国を訪れる日本人は多くいるでしょうが、ビジネスを展開するにあたり英国の治安は実際どうなっているのでしょう。
犯罪件数は日本の10倍
英国というとまずはロンドンで、スコットランドやウェールズなど地方では田園風景が広がり、ヨーロッパでも治安がいいイメージがありますが、日本と比べると犯罪発生率は高く、日本にいるような感覚は避ける必要があります。
たとえば、一昨年の統計になりますが、インクランドとウェールズで確認された犯罪件数は600万件あまりに上り、これは日本で確認された犯罪件数の10倍になります。
新型コロナの感染拡大で英国でもロックダウンが敷かれ、それによって犯罪件数は減少傾向になりましたが、コロナ対策緩和に伴って犯罪件数が再び増加傾向にあります。ロンドンではナイフによって殺傷される事件が断続的に発生しており、凶悪犯罪にも注意が必要です。
また、ロンドンでは中心地であるピカデリー・サーカスをはじめ、カムデンタウンやビクトリア駅周辺、バッキンガム宮殿や大英博物館などの観光名所、オックスフォード・ストリートやリージェント・ストリートなどで頻繁にスリや置き引きが発生しています。
日本人の被害では、地下鉄・バス車内、デパート内、観光地、飲食店でのスリや置き引きが多く、現地の日本大使館によると、今年１月から３月だけでも、窃盗32件、詐欺７件、傷害・暴行 2件、強盗 1件の被害報告があったといいます。
テロの潜在的脅威は
また、テロですが、21世紀以降だけでも2005年７月のロンドン同時多発テロを筆頭に、2020年６月にロンドン近郊のレディングにある公園でリビア人の男が複数人を刃物で襲い３人が死亡、３人が重傷を負った事件、2021年10月に支持者との会合に参加していた英下院議員が不満を持つ男にナイフ刺されて死亡する事件などが発生しています。
幸いにも今日英国内に差し迫ったテロの脅威があるわけではありませんが、英国にはイスラム過激派や極右過激派、アイルランドのカトリック系過激派によるテロの潜在的脅威があります。
最近でも今年３月、北アイルランド紛争を集結させたベルファースト合意から25年となる式典でテロの恐れがあるとして、テロ警戒レベルを現在の「Substantial（テロの恐れがある）」から上から２番目に高い「Severe（テロの恐れが非常に高い）」に引き上げられました。
まとめ
現時点で、英国でのビジネス展開に大きな影響を与える治安上の問題はありません。しかし、社員を英国に駐在させたり、出張させたりする場合、上記のように日本の10倍近く犯罪が発生しているので凶悪犯罪などに巻き込まれないよう社員に対して注意喚起する必要があります。
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