もくじ
住めば都と言われますが、実際に海外に住むというのは色々と苦労が尽きないものです。
”イタリアあるある”と言われる出来事などを実際の例に挙げてご紹介します。
イタリア移住のメリット
イタリア移住のメリットは常に心が明るくなるようなイタリア人特有の国民性です。中でも筆者が実感している2つのポイントをご紹介します。
トラブルもポジティブに切り返す「陽気な国民性」
イタリアでは日本人にはない陽気さに救われる事があります。
以前夏の暑い日に冷房が効かない電車に乗ることになったのですが、窓を開けても暑く、乗客はイライラ・・・そこに鼻歌混じりの車掌が現れました。
乗客は口々に不満を車掌にぶつけると、「そう、暑いよね。でもね、暑いと女性が薄着になってくれるからそれは良いよね。」とニコッと笑いながらまた鼻歌を歌いながら去っていきました。
わけもわからず、開いた口が塞がらなかったのですがみんな苦笑をしながら一瞬和やかな雰囲気に。さすがイタリア人的な切り返しでした。日本では経験できないシーンだと思いませんか?
気疲れしなくて済む「根に持たない性格」
イタリアは、陽気な国というイメージが多いと思いますが北から南まで1200kmある国、162年前まで色々な国に分かれていた国でもあり地方色が豊かです。一般に北イタリアの人は閉鎖的、南の人は開放的などと言われています。
家族の結束が強い南に対して、個人主義が強い北の方達という印象があるのではないでしょうか。共通して言えることは、外国からの支配の長い歴史の為が打たれ強く、あまり根に持たない性格の方が多い様に思えます。その点は、付き合って行く過程で気が楽な部分かと思っています。
イタリア移住のデメリット
イタリア移住のデメリットは、日本では当たり前であるサービスの手厚さがないこと。公共サービスにおいても度々日本との違いを感じます。
仕事に対する考え方の違い
イタリア移住を始める際、日本から送っていた私の衣類や生活用品の段ボールが待てど暮らせど届きませんでした。近くの郵便局に出向いて問い合わせるも、届いていないとの一点張り。そのころは追跡サービスなどありませんでしたので、諦めるしか無いのかと思っていました。
「必ず届いているはずなのでもう一度見てもらえないか」と聞いたとことろ、「じゃあ、裏の倉庫に自分で行って見てきて」と信じられない返答をもらい倉庫に入らせてもらったところなんと荷物があったのです。
局員に伝えると、「あ、そう」と一言。昔も今も一般的に、イタリアの公務員はやる気が無さそうに働いている方を多く見かけます。一生懸命やっても給料は同じという感覚があるからでしょうか。
今では、イタリアの郵便局も追跡サービスがありネットで追跡番号を入れると荷物の所在が分かるようになっていますのでその様な事は無くなっていると思いますが税関でのチェックが以前より厳しくなっている様ですので、現地に住む方に贈り物を贈る場合などは注意が必要です。場合によっては、受け取り側が税金を支払わなければいけない場合も少なくありません。
公共機関でストレスを感じることが多い
様々な役所関係の手続きでのたらい回しや、電車の遅延をストレスに感じることも多いです。
以前私が勤めていたオフィスに向かう時、電車が止まってしまい動かなくなった事がありました。日本では、一分遅れるのにも理由や謝罪の言葉がアナウンスで入るのですが、イタリアではアナウンスも無く遅延する事が多々あります。
それにしても長時間遅れているので、痺れを切らして車掌に聞いてみると何と線路の一部が盗まれたと言うのです。線路の素材を売ってお金にする人がいるそうで、たまにそう言うことがあるのだそうですが、これには驚きました。
不可抗力と言っても、実際に仕事に穴を空けることになってはいけないと思い、待ち合わせの時間のかなり前に出かける事にしています。
イタリア移住のきっかけ
イタリアに移住したきっかけは、ミラノ在住の主人に出会った事です。結婚を機にイタリアに移住しました。2006年、今から17年前の事です。今でこそ、ここイタリアではデジタル化の波が押し寄せ銀行関係や、郵便事情もシステム化されている感はありますが、その当時は今と比べると様々な手続きにストレスを感じる事がとても多かったです。
まず現地での住まい選び。主人の住まいは、少し広めのワンルームマンションで手狭でしたので、新生活を始めるあたり新居を見つける事からスタートしました。ミラノ市内は年々住宅が高騰していて購入を断念、近郊の街を探しました。色々と探してもなかなか見つからず、諦めかけていた時に新築の今の住まいを不動産会社に紹介され直ぐに決めました。
ちなみに不動産会社への手数料はイタリアでは3%が基本です。
イタリア滞在許可の取り方
イタリアの場合は、現在滞在許可証もICチップ入りになりました。在日本イタリア大使館でも事前に手続きをしてもらえると思いますが、例えば現地で手続きを行う場合はPatronatoと呼ばれる事務所にまず出向き相談するのが良いでしょう。ここでは外国人や、イタリア国内で正規で仕事をする人や勉強する人の権利や滞在許可証と多岐に渡ってサポートしてくれます。ほとんどの事務所が滞在許可に関しては、無料で対応してくれます。
ちなみにPatronatoで書類を揃えた後は郵便局で警察庁に書類を送ります。その時に申請費用を支払います。控えは必ず保管しておかれて下さい。その時に警察への出頭日が印字された用紙を受け取り指示された日時に出頭する必要があります。その後に再度ICチップ入りの滞在許可証の受け取りの日にちを指定されます。ちなみに、私の場合は全体を通して4ヶ月くらいかかりました。発行されるまでは、郵便局で支払った発行手数料の控が申請証明になりますので何かあったらそれを掲示すれば大丈夫です。
イタリア移住に伴う書類作成や手続きの際には、プロの翻訳を依頼すると安心です。海外移住に関する必要書類の翻訳や現地通訳など、幅広いシーンでサポートするOCiETeをぜひご利用ください。
イタリア語習得方法
私の場合は2000年にフィレンツェの語学学校で3ヶ月間学びました。あまりイタリア語を勉強せずに飛び込んでしまった私、外国人なので最初は英語で教えてくれるのかと思いきや、いきなりイタリア語で授業が始まり、目の前が真っ暗になりました。
それでも何とかイタリア語の世界にどっぷり浸かっているうちに段々と分かる様になり、3ヶ月で日常生活もできる様になりました。その頃はインターネットもあまり普及していませんでしたので家族ともあまり連絡を取れず、イタリア人家庭でのホームステイやイタリア人のシェアメイトとの交流にて言葉の壁があり孤独に陥りながらも頑張って来たのが良かったかもしれません。
逆にフランスにも同じく留学したのでうが、その時は日本人同士の付き合いも多くありあまり物になりませんでした。
イタリアにあるの語学学校で、Lingua Viva (リングアビーバ)という学校があります。直訳すると生きた舌ですが、”言葉は使ってこそ生きる”とう意味合いになるかと思います。逆に使っていないと忘れてしまい死んでしまいますね。とにかく、使い続ける事が大切です。
まとめ
私も”3ヶ月の壁”を超えた辺りから、イタリア人全員に対して嫌悪感を持ってしまった時期もありましたが今では、個性的な自分を持った人々で情に厚い人達に触れながら考え方が変わって来ました。完璧な国は無いのだ。許容範囲を広げながら笑って過ごして行きたいと思います。
イタリア ミラノ在住16年の筆者がイタリア移住について解説します。