もくじ
人口総数世界第1位、14億人を超える巨大な消費市場として成長し続ける中国。一方で、豊富な労働力を抱える世界の工場でもあります。
WHOによる2022年版世界保健統計 | https://www.who.int/data/gho/publications/world-health-statistics
しかし中国ビジネスには、中国文化特有のむずかしさや注意点があります。
中国への進出や出張前に、中国ビジネスの注意点、日本との違い、中国におけるタブーなどを学んでみましょう。
中国と日本企業の関係性について
今や日本の最大貿易相手国である中国。中国と日本の経済は、互いに切っても切れない関係にあると言えます。海外に拠点を置く日系企業の数も諸外国の中で中国が第1位を占めています。
その魅力は、豊富な労働力、大きな消費市場、そして日本から近距離である、ということでしょう。反面、法律改正が迅速にできるお国柄。準備を進めているうちに法改正で、また状況が変わった、ということもおきかねません。
正確な情報源から常時情報収集を怠らないことが中国ビジネスの注意点です。
外務省公表データ| https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/index.html
中国企業の組織構造
中国の企業は国有企業から民間企業、外資企業、それらの共同経営企業など形態が様々です。
また、外資企業にとっての法的優遇措置がある経済特区内とそれ以外の地区では税制をはじめ、大きく条件が異なります。
各省や自治体によっても状況は千差万別ですので、それぞれ地域ごとにに下調べをしましょう
かつては外資企業が中国に進出する場合、中国企業との共同出資の形で様々な優遇措置が受けられる「合弁企業」とするのが一般的でしたが、近年は独資の企業も増えています。
中国ビジネスをとりまく情勢が大きく変化しつつある昨今、最新の情報をキャッチしてベストな形態を考えていく戦略が必要です。
また、大まかな法規のもとに、担当者の人的裁量に任されている部分も多いのが中国。人脈作りは中国ビジネスのキーといえます。
中国ビジネスを加速するためには、海外リサーチサービスを利用するのもおすすめです。OCiETe(オシエテ)ではビジネス展開に向けてリサーチや、海外企業へのアプローチなど幅広くサポートいたします。
中国企業との商談ビジネスマナー
服装のマナー
ビジネスシーンでも比較的カジュアルな服装に寛容なのが中国文化です。失礼にならないよう派手すぎるファッションを避け、無難な色でまとめれば、ネクタイやスーツの必要はありません。
- 皆さん自由な身だしなみで仕事しています。取引先企業の来訪時に相手をするときのみワイシャツを着たりします。
- 日本に比べるとカジュアル
- わりと自由。スーツにネクタイは非常に少ない。
中国企業では中国語と英語、どちらが主流?
中国ビジネスで使われるのは圧倒的に中国語です。英語が流暢に話せる中国人は大都市やグローバルビジネス企業のほんの一握りしかいません。
英語で会議を行えば、中国人同士は中国語で話し、英語通訳者がそのまとめを代弁する、ということになりがちです。
中国人同士の会話の中身は、結局何を話していたのかこちら側にはわからないまま、ということもよくあります。
通訳は中国語通訳を用意するのが効率的です。
また、中国語には地方により異なる地方語が存在します。しかし、学校教育は北京語(普通語)で統一されていますので、北京語であれば誰もが理解できます。北京語(普通語)通訳を用意するのが一般的です。
通常、外国企業とのビジネスを進める中国企業は、中国サイドで通訳を用意していることが多いです。場合によっては日本語の通訳を用意してくれている場合もあるでしょう。
しかし、慎重を期すならば、日本側でも中国語のわかる通訳を用意することをお勧めします。理由は、通訳は基本的に雇用側に有利な通訳をするからです。互いに自社サイドの通訳を介することで、双方とも自社視点からビジネス事項の点検ができます。
中国企業への手土産は、形が大事
中国のビジネスシーンには贈答品がよく登場します。豪華なサテンばりの木箱に入った品物を贈答品とすることもしばしばです。箱の中身は掛け軸やお茶碗などから事務用品まで様々です。
包装に意気込みを感じさせるのが中国文化。手土産を持っていく場合は、ぜひとも素敵な包装で相手を満足させたいものです。
日本人同士のように「高級デパートの包装紙でさえあれば推して知るべし」は通じません。できれば、リボンや飾りで華やかにラッピングしましょう。
喜ばれるのは日本製のものです。同じメーカーの商品でも、日本製でないものはあまり喜ばれません。食べ物や日用品など、小さいものであっても、日本製であれば、そのクオリティの差を日々体感している中国ビジネスマンには喜ばれることでしょう。
中国企業との挨拶のマナー
中国では名刺交換は行う?
名刺マナーは日本と基本的に同じです。ですが、「相手の面子(メンツ)を重んじる」のが中国文化。
名刺をいただいたら、たとえ中国語で読めなかったとしても、しばらく名刺をじっと見つめ、それから机上に置く、もしくは大事に名刺入れにしまいましょう。ま
た、中国では名刺交換は、挨拶というより、連絡先の交換という意味が大きいです。そのため近年では名刺がわりにWe Chat / 微信(中国におけるLINEに相当)のようなSNSを交換することも多くなってきています。出張前にあらかじめセットアップしておくと便利です。
面子(メンツ)をたてる
中国人にとって面子はとても大事です。
ビジネスにおいて相手の面子を潰すことは最も中国でしてはいけないことです。その失点を取り返すことは容易ではありません。たとえ相手の過失であっても大勢の面前で叱責したりすれば面子は丸潰れです。
面子を潰さないように、
「確かにこの状況では誰がやっても大変なのだけど。」
「無理を言ってるのは百も承知だが。」
「顧客がどうしても納得しないので」
「他の人では無理でもあなたならできるでしょう」などと、相手の面子の立つように、上手に持っていきましょう。
叱責口調でなくとも、相手は叱られているのは充分承知です。「ああ、面子を立ててくれた」と、親しみを持ってくれることでしょう。
中国企業に喜ばれる話題
無難に盛り上がれるのは食事や旅行の話です。ことに中国は地方によって郷土料理や食材が異なり、いくら語っても語り尽きることはありません。
また、話の中に故事成語を盛り込んで話すのが中国文化です。中国由来の故事成語を少し学んでおくと、共通の比喩で盛り上がれます。
中国で避けるべき話題
政治や宗教の話はタブーです。
社会事情の全く異なる国である、ということを念頭において、相手国の世相や社会情勢の批判的な話はしないことです。
また、日本の新聞や、そう言ったテーマに関する出版物の持ち込みもしてはいけません。
最新情勢を専門家がわかりやすく解説【連載】地政学リスクニュース
呼び方
男性なら先生(シェンシェン)、女性なら女士(ニュイシー)、若い女性には小姐(シャオジェ)と呼びかけるのが無難です。
山田さんなら、「山田先生」となります。メールの場合は役職のある方には役職を敬称の代わりにつけます。
また、中国語にも日本語同様、敬語が存在します。
あなた(你 / ニー)の敬語は(您 / ニン)です。
したがって、初対面の場合は、「こんにちは」=「ニーハオ(你好)」の代わりに「ニンハオ(您好)」を使うと、丁寧な人、よく勉強してる人、という好印象を与えられるでしょう。
中国企業との商談でのマナーや心がけておくことは?
中国企業と商談を進める際の注意点
中国は歴史的に、法治国家ではなく人治国家である、と言われます。基本的な規則や法律はありますが、それを実際に運用する担当者の裁量に委ねられるところが大きいのです。
詳細な規定が書かれていない場合、同じ規則でも運用する人により、違う解釈もできる、ということです。それを念頭におき、具体的な契約の内容は、出来るだけ綿密に記載しましょう。
「これくらいは常識として書かなくても。」とか、「これくらいはすでに法規で規定されているはず」という思い込みはタブーです!想定しうる限り綿密に書面にしましょう。
同様の理由で、中国ビジネスは人間関係が大きくものを言います。
同じ規則や契約内容でもそれを運用する人の裁量によって大きく状況が変わる場合もあるからです。自分のビジネスに適切な裁量を持つパートナーを見極め、上手に関係を築くことが重要です。
また、しっかり契約したはずの商品が、3ヶ月後にはいつの間にか品質が落ちていたということも少なからずあります。定期的な品質検査を行うことでビジネスリスクを軽減できます。
商談の締結までの時間
丹念に話を詰めてようやく締結にこぎつけても、こちらの意図とはズレた解釈をされていた。やり直し、書き直し、返品、こういったトラブルが中国ビジネスのリスクです。
かなりの時間的余裕を持って挑みましょう。リスクを少なくするために頻繁な書類チェック、品質チェックをし、本当にこちらの意図した通りに物事が進んでいるのか、こまめに確かめることが大事です。
また、中国の春節(旧暦の正月)は、日本のお盆や年末年始に相当し、多くの企業が休業、帰省ラッシュの時期となります。物流も含め1週間近く、大きな混乱を来す時期ですので、それを計算した上でのビジネス計画が必要です。
中国企業とのwebミーティングについて
外国企業とのwebミーティングには、Microsoft TeamsやSkypeなどが使われています。
今日の中国では社会的環境も含め、web環境が流動的に変化しており、その都度、相手企業と利用可能なツールを確認しあうことをお勧めします。
中国企業との会食のマナー
時間は正確に
ホストはゲストより早く来て待っているのが理想的です。ゲストが早く来てホストを待っていると、ホストの面子(メンツ)が潰れます。と言って、遅れて行くのも失礼に当たります。
あなたがゲストの場合は、時間ちょうど、もしくはその少し前に着くように行きましょう。中国人は時間にはわりと正確で、大概の場合ホストは余裕を持って到着してゲストを待っています。
中国にもある席次のマナー
中国の宴席は円卓が一般的です。円卓であっても日本と同様、席次があります。
最も奥の席が上座、入り口に一番近い場所が下座となります。
招待された場合は、相手の指示を待ってからの着席となります。
アルコールのマナー
会食は、ホストの音頭で乾杯をしてから食事が始まる、というのが中国のビジネスマナーです。
また、中国語で乾杯(=カンペイ)というのはただの音頭ではなく、「杯を飲み干す」ことです。
アルコールが苦手な人は、きちんと飲み干せるよう、つがれる際に「苦手なのでほんの少し」と、ごく少量にしてもらい、それを飲み干すと良いでしょう。
食事のマナー
大皿料理をそれぞれ各自が取り分けて食べますが、大皿のものを全て取りきらず、少し残すのがマナーです。
大皿がすっからかんになってしまうと、「ホストが少ししか出さなかった。足りなかった」という意味になり、ホストの面子(メンツ)がつぶれます。
喫煙のマナー
中国では、自分がタバコを吸う際は、点火する前に周囲にも勧めるのがマナーです。
また、相手から勧められた場合に、遠慮してそれを断り自分のタバコを出して吸うのはタブーです。相手の面子(メンツ)を潰すことになるので、受け取りましょう。
もちろん、非喫煙者は断っても構いません。
注意点として、近年では中国でも禁煙エリアが増えています。禁煙エリアでタバコを吸うと罰金となることもあるので、確認してから吸いましょう。
支払いのマナー
基本的に割り勘はせず、誘った方が支払うのが中国マナーです。支
払ってもらう場合、変に財布を出したり遠慮するのは、相手の懐具合をみくびっているタブーな行為にあたります。
ホストの面子(メンツ)をたてて遠慮なくご馳走していただき、また別の機会にご馳走し返す、というのが中国文化です。
まとめ
- 中国ビジネスのキーは人脈。自分のビジネスに最適なパートナーを見極めよう。
- 中国との商談の際は、自社で通訳者を手配するのがベター
- 中国人にとって面子(メンツ)はとても大事。相手の面子を尊重してこそ良い関係が成り立つ。
- 政治の話はタブー。
- 意図とは違う方向にビジネスが展開していかないよう、頻繁にチェックしよう。
ここまで中国のビジネスマナーをお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。
人との関係性がキーポイントの中国ビジネスだからこそ、マナーやタブーを押さえておく事が大事です。
気をつけるべき注意点を念頭に出張や商談に臨めれば、中国のビジネスパートナーと良い関係を築くのに役立つことでしょう。
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「継続的なアプローチができずにいる」など、海外営業にお悩みでしたら一度ご相談ください。
中国へ出張予定の方、中国企業へのアプローチを考えている方は必見です。
「商談時や事前のアポイント等でのコミュニケーションが不安」という方は、現地に詳しい通訳者を依頼しておくこともおすすめです。