ドイツ移住の準備・心得|ドイツ移住のメリットや注意点は?

いざ海外進出、とは言っても、習慣や価値観も異なる外国生活には不安が付きまとうものですね。ドイツ移住体験者の経験をもとに、不安を解消、準備を整えて、成功への幸先の良いスタートをきりましょう。

シモーネ

2000年よりドイツ在住の通訳者が移住時の準備などを解説します。

ドイツ移住の理由〜移住への準備

私がドイツに移住した理由は日本のドイツ企業に駐在勤務していたドイツ人夫のドイツ本国帰国です。

移住準備にかかる時間は?

査証の準備などには余裕を持って2ヶ月です。実際は1ヶ月くらいで全て終わりましたが、これは結果論であり、手間取ることも考えられますので、早めの準備をお勧めします。特にスタートアップなど企業海外進出パイオニアの場合は通常より長くかかると想定した方がいいでしょう。

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移住前準備時の注意点

移住時に必要な書類関係、婚姻届や出生証明書、戸籍など日本の官公庁の発行する全ての書類は、公認翻訳士による訳文と駐日ドイツ大使館が添付するアポスティーユ(公文書認証)が添付されなければ、ドイツの官公庁では正式書類として認められません。官公庁に出すべき必要書類を早めに確認し、準備しましょう。特に駐日ドイツ大使館などのない地方在住の方は郵送によるやりとりになりますのでさらに時間がかかります。公認翻訳士はドイツ大使館で紹介してくれます。

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また、日本とドイツの間には日独社会保障協定があり、日独の年金加入期間を合算できるのはメリットです。手続きを忘れないようにしましょう。(参考:日本年金機構

日本から持参すべきアイテム

日本から持って行けばよかったと感じたのは海外用炊飯器です。ドイツでもオンラインなどで日本のメーカーの炊飯器は買えますが、非常に高いです。中国など海外メーカーの炊飯器は外米向けなのでうるち米の炊飯は日本製にはかないません。日本で海外電圧対応の日本のメーカーの炊飯器を購入し、持参される事をお勧めします。

衣服も日本から持っていくべき?

冬用コートや冬用の靴は現地調達が正解です。ドイツの冬は寒く、日本の冬用オーバーや冬用の靴は、薄すぎてあまり役に立ちません。ドイツで調達しましょう。

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ドイツに来てよかった!「移住してよかったこと」

ドイツのここが素晴らしい

労働者の休暇を奨励している国ですので、有給休暇を連続して1〜2週間休暇を取ることは権利として認められています。オフの時間をしっかりとれるため、趣味を充実させたい人にはアウトドアから芸術鑑賞まで幅広く楽しめます。またドイツでは列車への自転車持ち込みも料金を払えば可能ですので、遠方への自転車旅行ができるのもメリットです。

ドイツ鉄道自転車持ち込み車両

ドイツに住んで感じる自分の変化

欧州内の人の移動も活発で、移民も多いドイツ。いろんな国の人と日常的に接する事で欧州のみならずいろんな国の情報が生で聞けるのがドイツに住むメリットとも言えます。ヨーロッパや海外に向けたビジネス成功へのヒントも、ドイツで得られるかもしれません。

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ドイツ移住において気をつけるべきこと

態度はわかりやすくはっきりと

言葉には出さずに気持ちをくんでもらう。日本人にありがちなこの態度はドイツ人には理解できないどころか誤解を生んでしまいます。同じく日本人にとって当たり前な謙遜の態度も、過小評価に受け取られてしまいます。誤解なく正しく自分の思いを伝えるためには、意見を実直に伝えることが重要です。

ドイツ社会は騒音に対して厳格

夜間22時以降や日曜祝日などの騒音は取り締まりの対象です。借家のルールを熟読し、騒音不可の時間を厳守しましょう。ただし、子どもによる騒音、泣き声などはどの時間帯も許容されます。

罰金通知に注意

ドイツは罰金社会です。法律に違反すると自宅宛に罰金の通知が届きます。通常は2週間の抗告期間がありますが、 書類は全てドイツ語のやりとりで、期限を過ぎて罰金を払わないと高額の追徴金が加算されていきますので、注意が必要です。

参考:Bußgeldkatalog 2023「Bußgeld nicht bezahlt – Welche Konsequenzen dafür drohen」(2023年8月8日現在)

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ドイツ移住に向けての語学習得方法

事前の学習は初級本を「丸暗記」

私の場合、夫はドイツ人ですが、ドイツに移住するまでの夫婦の会話は英語だったため、本格的にドイツ語学校に通ったのはドイツへ移住してからです。移住するまでに、初級本を丸一冊、3回まわり暗記したおかげで、ドイツ語学校に入った時に、初級をとばして中級クラスから始めることができました。

使用していた教科書

移住後は語学学校で効率よく学習

ドイツでは、公的機関のVHS(市民学校)のドイツ語レッスン夜間コースに通算5年通いました。移民の人が多く通う学校ですので、教材に「不動産探し」から履歴書の書き方まで、生活に密着したテーマが取り上げられており、学んだことが即生活に役立ちます。VHSはドイツ全国にあり、学費が安く、ドイツ居住者が当然知っているべき一般教養が盛り込まれているため、海外進出者がドイツ社会を効率よく理解するのには役立ちますが、ドイツ語の資格検定を目指すのであれば値段が高くても私立の「検定試験のための傾向と対策」強化に力を入れている語学学校に行くのが手っ取り早いです。

参考:ドイツニュースダイジェスト「始めよう!VHSで習い事」(2023年8月8日現在)

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異国の地でストレスを感じたら

海外へ移住した際のストレスの一つは食生活。対処法としては日本食を自炊することと、ドイツ食の美点を見つけてそれにハマることです。ドイツは実はオーガニック大国。改めてスーパーなどで食材を確認してみれば、体にいい食材であふれていることに気がつきます。ハーブ類も安く種類も豊富なので、健康食をあれこれ試して体調を管理するのも食に対するお悩み解決につながります。

オーガニック食品

また、ドイツの長い冬をどう過ごすかもストレスの要因です。日照時間も短く寒く、日本のような大型ショッピングセンターも少ないので、家にこもりがちに。一方で冬はコンサートやオペラのオンシーズンであり、レベルの高い芸術鑑賞が安価に楽しめるのメリットもあります。友人とのホームパーティをして、ドイツ流に気晴らしをするのもおすすめです。

コンサート劇場

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まとめ

移民も含めた多民族を規律よくまとめるために、法律と罰則が厳しいドイツ。しかし、規則や習慣を理解すれば、外国人受け入れ体制も整っており、海外進出される方にとって生活はしやすいです。様々なメリットを利用して公私ともに充実させ海外赴任・移住を楽しんでください。

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ABOUT US
シモーネセカビズライター
中国在住5年を経て、2000年よりドイツ在住。工場、会議、見本市など、あらゆるビジネスシーンにおいて、通訳者として幅広くお客様をサポートしております。趣味は料理とハーブ研究で、自宅にて家庭ドイツ料理をあれこれ試作する日々です。