エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
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日本は7月下旬から、先端半導体の製造や開発に必要な23品目(繊細な回路パターンを基板に記録する露光装置、洗浄・検査に用いる装備など)で対中輸出規制を開始します。
バイデン大統領は昨年秋、先端半導体の製造装置や技術が中国によって軍事転用される恐れから、対中半導体輸出規制を導入しました。バイデン大統領は日本に対して1月に同規制に加わるよう要請し、日本は3月、米国と足並みを揃えることを発表しました。
中国も半導体素材の輸出規制を発表
一方、中国は7月に入り、国家の安全と利益を守るためとして、希少金属であるガリウムとゲルマニウムの海外輸出を規制すると発表しました。世界のガリウム生産の9割を中国が占めており、日本はガリウムの輸入を中国に依存しています。ガリウムとゲルマニウムは半導体の材料として使われ、スマートフォンの顔認証に使っている面発光レーザーや液晶テレビのバックライトなどの白色発光ダイオードにも欠かせないものです。
中国政府はこれについて特定国を標的とした規制ではないと発表しましたが、中国政府の元商務次官は、中国政府が発表したガリウムなど半導体素材の輸出規制について、今後も中国のハイテク部門を狙った貿易規制が続くなら中国の対抗措置はエスカレートし、制裁の種類や手段は他にも多くあると強くけん制し、共産党系機関誌の環球時報も、米国とその同盟国は中国の主要材料輸出の制限に込められた警告に耳を傾けよと警告する社説を掲載しました。
規制の影響は限定的だとする見方も
しかし、実際のところ、今回の中国側の規制発表でどこまで日本の半導体関連企業に影響が出ているかは、現時点ではっきりしません。影響は限定的だとする見方も上がっています。
そして、中国が本当に米国や日本の経済や貿易にダメージを与えたいのであれば、ガリウムやゲルマニウムではないもっと効果的な手段はいくつもあるはずです。それにも関わらず、効果がはっきりしない規制手段を発表した背景は主に2つ考えられます。
1つは、外資の脱中国化です。中国は世界の工場と言われるように、経済の多くを外資に依存しています。最近もビルゲイツやイーロンマスクの訪中を中国政府が強く歓迎したように、習政権は外資の中国撤退に拍車が掛かることへの警戒感があります。
また、それと関連しますが、国内経済の衰退と国民の不満があります。中国では16歳から24歳の失業率が20%に達するなど国内経済の勢いは鈍っており、国民の政権への不満も強まっているとされます。
そういった時に、米国や日本へ過剰な制裁措置に踏み切れば、米国などからそれ相応のしっぺ返しに遭うだけでなく、中国でビジネスを展開する外資企業は中国からの撤退、中国への投資を減額させる可能性があり、それは習政権としては避けなければならないシナリオです。
まとめ
よって、今後も米中間では貿易摩擦が続くでしょうが、中国側も台湾問題などで導火線に火が付かない限り、現状のような姿勢を貫く可能性が高いでしょう。そうなれば、中国リスクについて様々な議論が展開されていますが、日本企業への実際の影響は極めて限定的だとも判断できます。
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