もくじ
その経済規模と研ぎ澄まされたバランス感覚で世界各国の投資家やビジネスオーナーを魅了するアメリカ。「やっぱり一度はアメリカでビジネスを…」という方も多いのではないでしょうか。
今回はアメリカでビジネスをするなら覚えておきたいビジネスマナーをまとめました!「商談時や事前のアポイント等でのコミュニケーションが不安」という方は、現地に詳しい通訳者を依頼しておくこともおすすめです。
アメリカと日本企業の関係性について
日米間のビジネスに関する特徴の一つとして、その情報量の多さが挙げられます。戦後から、政府レベル・民間レベルともに緊密な関係を築いてきたことで、日米間の企業・ビジネス情報は豊富です。
また、日本国内の少子化による国内需要の減少もあって、アメリカ進出を視野に入れる日本企業は増加傾向にあります。アメリカの州別で日本企業の進出を比較すると、日本人に馴染みの深いカリフォルニアには日系企業の拠点がすでに500以上あります。続いて、イリノイ州、テキサス州の順に拠点が多くなっています。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/8c5dc93b1357afd6.html
※ちなみに日系企業とは「日本側出資比率が10%以上の現地法人、日本企業の支店、駐在員事務所」のことを差します。
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2021/01/f77677626ebf0fb5.html
アメリカ企業の組織構造
アメリカでは一般的に低コストで起業できますが、それぞれの州によって申請条件や費用が異なります。まず、どこの州で起業するのかを決定し、弁護士・税理士・会計士の方などに相談しながら、企業形態を決めましょう。
労働環境については、現地および企業の規模・歴史・宗教・文化などによって大きく異なります。日系企業が比較的多く集まり、製造業に強い中西部・南部においては、最低賃金は比較的低く抑えられており、労働組合の活動などもゆるやかです。
アメリカ企業との商談ビジネスマナー
それでは、アメリカでの商談時によく見られるビジネスマナーをご紹介します。
服装のマナー
ビジネスパーソンに求められる服装は、その土地の気候や文化、また職業などによって異なります。一般的に、商工会議所やオフィスなどでの商談の場合は、男女ともスーツの着用が多くみられます。
年間を通じて涼しい北部のエリアでは、男性の多くはワイシャツ・ネクタイ・ジャケットが定番です。中西部・南部の高温多湿のエリアでは、ポロシャツにハーフパンツで通勤するイメージが強いものの、管理職の場合は、しわのないワイシャツにゆるめのスラックス程度にとどめておくのが無難といえます。
女性の場合はスーツでなくとも問題ありませんが、管理職やマネージャーなどの場合は、ワイシャツやジャケットの着用が多く見られます。
手土産のマナー
その商談の規模、またそれまでの両社の関係性などにもよりますが、商談時の手土産については、特に気にしなくてよい、というのが一般的です。理由としては、交渉相手が喜ぶものを選定するのが非常に難しいからです。特に、アメリカ現地で交渉が行われる場合には、契約書の内容やプレゼンテーションの質、交渉時のコミュニケーション力がより重要です。
アメリカでの挨拶・自己紹介のマナー
ここからはアメリカのビジネスシーンで見られるコミュニケーションをご紹介します。
名刺交換はする?しない?
現地で交渉する場合、担当者の名前を覚えてもらうためにも、名刺交換自体はまだまだ多いのではないでしょうか。セールス担当者が写真入りの名刺を持っているのを見かけることがあります。
反対に、世界各国のバイヤーが集まる展示会や商工会議所のイベントなどでは、あまり名刺交換をする姿は見られません。理由としては会話をする人数が多くなるからです。
本当に気になるビジネスを見つけた場合は、担当者に「名刺をお渡ししてもよろしいですか(May I give you my business card)? 」「名刺いただけますか(May I have your business card)?」と聞いてみましょう!
アメリカ企業と仲良くなるコツは?
本音を言ってしまうと、商談の場では「仲良くなる必要はない」といったところでしょうか。あくまでもビジネスです。お互い利益を求めてミーティングを設定するので、ゴール設定を明確にし、交渉相手への希望をきちんと伝えましょう。
なお、自己紹介時や交渉が上手くいった時などにガッチリと握手をするシーンを映画などで見たことがある方も多いかと思います。これはパフォーマンスの一つです。特に交渉がとてもうまく行って嬉しいときなどは、積極的に握手してみてください。
また、社内で行われるパーティ、ファミリーパーティなどに招待される機会があるかもしれません。アメリカの場合、スーパーボウルの開催時、感謝祭やクリスマスなどの年末に多くパーティが開かれます。このようなシーンでは、積極的に相手との会話を楽しんでみてください。
アメリカで喜ばれる話題は?
お天気に関する話題は平凡なようで適度に盛り上がります。
アメリカの場合、トルネード(竜巻)やびっくりするほどの積雪など、日本ではあまり見られない自然現象が起こります。こういう身近な話題から話し始めて、徐々に距離を縮めていくのが一般的なコミュニケーション方法です。
また、スーパーボウル、バスケットボールなどのスポーツの話題もおすすめです。特にスタジアムが近くにある職場などでは、「○○選手を見たよ!」と話が弾むこともしばしばあります。
アメリカでは避けるべき話題
ビジネスシーンでは、政治・宗教の話題は避けるのが一般的です。また初対面の場合は、相手の出身、年齢、性別など、個人的な情報を聞くのも避けた方が無難です。
呼び方ルールに注意
一般的にビジネスシーンでは、ファーストネームで呼び合うことが主流です。従来、初対面の場合には、男性の場合は、Mr.(ミスター)、女性の場合はMs.(ミズ)を相手の苗字につけていましたが、「ジェンダー・ニュートラル」というコンセプトが話題になるにつれ、相手の名前に敬称をつけて呼ぶのが難しい場合も出てきました。
ジェンダー・ニュートラルの点から、ファーストネームで呼び合うことが一般的です。
「ジェンダー・ニュートラル」は、個人が性別や社会制度などによる制限を受けることなく、社会活動を営めるようにすべきとの考え方が基盤になっています。
アメリカではパスポートの性別も「男性」、「女性」、「X(エックス)」と3種類から選択可能になりました。
アメリカとの商談マナーや心がけておくこと
アメリカで商談を進める際の注意点や、締結までの流れを解説していきます。
アメリカ企業との商談の進め方
アメリカは中国、韓国、日本などのアジア圏の国が大きく投資している国です。ビジネスパーソンであれば、アジア圏の文化慣習には多少なりとも触れたことがあると考えてよいでしょう。そのため、あまり緊張する必要はありません。
しかし、どんなバックグラウンドの人が聞いても誤解が発生しないよう、わかりやすく、はっきりと商談内容を伝えてください。
また、商談中はアイコンタクトを忘れずに。相手の様子を見ながら、相手と積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。
アメリカ企業との商談の締結まで
アメリカはヨーロッパと比較すると時間の感覚には厳格です。そのため、返事まちなどでイライラすることはあまりないと思います。セールスなどのメールで返答がない場合は、可能性がゼロとみてほぼ間違いありません。
ただし、一旦交渉がスタートすると、契約書の作成については厳格です。契約書の作成から締結までは、弁護士や税理士の方ともしっかりコミュニケーションを取ってください。
アメリカ企業とのwebミーティングについて
コロナウイルスの影響で、急速にwebミーティングが広がっています。よく利用されるのは、Zoom、Slackなどです。
柔軟なコミュニケーション手段,環境が許される。例えば,帰宅の車運転中に会議に参加してくる社員も普通に多くいる。また,家事や子どもの世話をしながら会議に参加する社員もめずらしくはない。どムスリム系の人が頭にかぶる布もよく見かけるし自由。
様々なアプリが使われる、仕事以外の話もする、カジュアル。
アメリカで会食のマナー
アメリカは人々が多く集まるパーティを利用して、親睦を深めることがよくあります。ただし、食事のボリュームはそれほど大きくなく、ホットドッグ、チーズやフルーツなど手軽につまめるものも多く用意されています。
食事のマナー
パーティなどではアメリカンなものだけでなく、ヨーロッパやアジア圏のメニューも用意されるのが普通です。お箸なども用意されているので、フォークやスプーンなどの利用に抵抗がある方でも問題なく過ごせると思います。
自分で何かオーダーする場合には、食べやすいもの、会話の邪魔になりにくいものを選択するのがベストです。
アルコールのマナー
アルコールのセールス会場などでない限りは、飲んでも飲まなくてもかまいません。ただし、公共の場所で酔いつぶれることはマナー違反であるとともに、スリなどの犯罪に巻き込まれる可能性が高くなりますので、絶対に避けてください。
支払いのマナー
一般的にアメリカのレストランでは、15-20 % 程度のチップを支払います。ただし、日本食レストランなどでは、チップを受け取らない店舗などもあります。
コロナウイルス流行時やインフレの影響で、アメリカではチップのほかにさまざまな追加費用を加算するレストランもでてきました。例えば下記のようなものがあります。
まとめ
- アメリカは日本企業・日系企業の拠点数が多い。
- 起業をする際に必要な手続きは低コストで可能。
- さまざまな人種や宗教のバックグラウンドを持つ人々が一同に集まっている
- 契約書の作成は交渉の基本。しっかりと条件の確認を。
ここまでアメリカのビジネスマナーについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
アメリカにはすでに多くの日本・日系企業が進出しています。そのため、日米政府機関のWebサイト・ビジネス系のブログなどにも日米間のビジネスに関する情報が多く公開されています。プレゼンテーションの準備が必要な際は、そういった情報を積極的に利用しましょう。
商談では「コミュニケーション力」が重要です。交渉相手とアイコンタクトを取りながら、あせらずに進めていきましょう。
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