もくじ
オランダでビジネスを成功へと導くには、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
正直なところ、オランダでビジネスを進めるには、日本のように定まったルールやマナーはほとんどありません。
しかし、オランダ人にとって良い印象を与えるには、やはりある行動パターンがあるもの。本記事ではオランダでのビジネスで、良い印象を持ってもらうためのコツやオランダのビジネスマナーをお教えします!
またワークシェアリングが発達しており、週40時間勤務よりも短い契約で働く人が多いです。
さらにコロナ以降在宅勤務も増え、家庭と仕事を両立しやすい環境となっています。
ワーク・シェアリングとは?日本やオランダなど海外の事例を紹介
【はじめに】オランダでビジネスを行うメリットとは?
ヨーロッパのほぼ中央に位置するオランダは、小さいながらも立地条件を生かしてハブ機能を果たし、ヨーロッパのゲートとして経済を発展させてきています。
道路や鉄道、水運、パイプラインに投資をしてインフラを充実させ、物流の発展によりさらに外国企業にとって魅力的な国。そんなオランダにヨーロッパ本部を置くメリットも多く、日本企業も積極的にオランダに進出しています。
日本企業にとっても、ヨーロッパに進出するうえでオランダに拠点を置くメリットがいくつか挙げられます。現地採用の対象となるオランダ人は、実践力となる教育レベル、英語によるコミュニケーション、時間に正確であるという特性を備えているからです。
オランダ経済・気候政策省 企業誘致局 | オランダでの事業展開 • 事業運営 • 欧州本社機能
在蘭日本商工会議所 | 会員企業検索
オランダ企業の組織構造
オランダの企業は、「平らな組織」とよく表現されるように、上下関係の差が目立たず、上司に対してもファーストネームで呼びかける関係が通常です。
オランダのビジネスマナー|企業との商談
実際、オランダには日本のような形式的なビジネスマナーと呼べるものはありません。
それでも良いコミュニケーションを行うには、ある傾向があります。
中でも、明確な意思表示をすることはとても大切です。
自らの考えや方向性を簡潔に打ち出し、投げかけられた質問に率直に答えることが重要です。
また質問に答えられない時はその時点では分からないことを正直に告げ、回答を得るための解決策を提案します。
長期的な信頼関係を重んじる姿勢は、日本人と通じるものがあります。
オランダの服装マナー
業種にもよりますが、オランダのビジネスパーソンの服装はラフです。
シャツにデニム、という姿がオフィスでもよく見られ、クライアントに会うときはジャケットを着る程度で、ネクタイをすることはよほど改まった時のみです。
オランダ企業との商談はオランダ語と英語、どちらを使うべき?
基本的にはオランダ企業ではオランダ語が主流です。しかし国際的な企業では、オフィスでの共通言語が英語になっているところも多いです。
しかし、福祉や農業、教育分野などの現場で働く人々は、日常オランダ語で業務を遂行しているため、オランダ語が望ましいです。
会議の内容がより専門的な場合は通訳に依頼し、オランダ語の利用がおすすめです。
オランダ企業に喜ばれる手土産
オランダ人同士でビジネス関係においてお土産を渡す習慣はありません。
しかしオランダ人でも外国人との取引があれば、特に日本人に対しては、お土産をお返しに用意するものと認識しているようです。
お返しの品は、企業名の入ったグッズが多いです。
また受け取った際に、日本ではお土産を別れた後で開けるものですが、オランダ人はプレゼントなどを受け取るとすぐに開け、中身について会話を弾ませたり喜びを表現したりする習慣があります。
日本のお菓子や、日本らしい小物を渡すと喜ばれますよ!
オランダでの挨拶マナー
初対面ではまず氏名を名乗り、相手の目を正面からじっと見たまま握手をします。
握手の際は、さらりとではなく割とぎゅっと力を込めて握ります。
将来に向けてビジネス関係を築く第一歩になるので、恥ずかしがらずに堂々と相手の目を見ましょう!
またミーティングを終えた後、別れの際にも握手をします。ビジネスを通して交わされた対話を振り返り感謝の気持ちを込めて、握手をしたまま2,3回上下させます。
コロナの影響で握手の習慣は控えめになっています。
その代わりに、こぶし同士で軽く触れたり、口頭の挨拶で済ませます。アイコンタクトを忘れずに。
オランダでは名刺交換はする?しない?
手土産と同じく、オランダ人同士では名刺交換の習慣はありません。
しかし外国人との取引が盛んなビジネスパーソンは名刺を用意する人が多いです。
日本のように受け渡し方や席順に並べる等のルールはないので、片手でポイっと渡されても決して悪意はありません。
オランダ企業の担当者と仲良くなるコツ
基本的にほのぼのとまじめで落ち着きがありながら、朗らかでジョークが通じるのがオランダ人です。
同様にオランダ人もそういった人物を好む傾向にあります。
信頼を築きつつ、ユーモアのセンスを磨きましょう。
オランダ人は初対面でも気さくに話せる人が多く、社交面での敷居が低いです。
オランダで喜ばれる話題
オランダ人は休暇に出かけるのが大好きで、バケーションの話題がとても喜ばれます。
ヨーロッパの自然豊かなキャンプ場、大陸をまたいだ冒険談など、お互いの体験談を話して盛り上がりましょう。
オランダで避けるべき話題
オランダは移民が多く、他民族の共存する社会です。
そのため、ビジネスにおいては宗教の話題は避けるのが無難です。
オランダでの職場内の名前の呼び方
基本的には誰でもファーストネームで呼び合い、親しみを表現します。
年齢差がある場合には念のため敬称を付けますが、「次回からはファーストネームで呼んでくれ」と言われることが多いです。
オランダ企業との商談での【マナー・心がけたいこと】
オランダの商談の進め方
通常はお互いの企業紹介に始まり、共通の目的を明確にし、商談を進める意義を確認しつつ進めます。
質問を頻繁に差し挟み、インタラクティブにコミュニケーションを取ります。
そのプロセスにおいて異議があっても、忍耐強く意見交換を繰り返すことで最善策にたどり着こうと努力するのがオランダ流です。
オランダは干拓地(ポルダー)が多いのですが、オランダの「ポルダーモデル」という言葉は「妥協策」という意味で使われ、オランダ人が異なる立場の意見を集め知恵を寄せ合って現実的な解決策を生み出すモデルを指しています。
オランダの商談締結までの期間
ケースバイケースであることが多いですが、オランダ人は概して計画的に物事を進めます。
きっちりと見通しを立てて、時間軸についても合意を得ながら、必要に応じて修正しつつ商談を進めましょう。
夏休み休暇は3週間ほど、クリスマス休暇は1,2週間取ることが多いため、そのあたりは余裕を持って計画を立てます。
オランダ企業とのwebミーティングで失敗しないためには?
コロナにより国境をまたいだ移動が困難になり、在宅勤務がますます普及しか結果、webミーティングはとても頻繁に行われています。
オランダ国内のミーティングであっても、web環境を活用することが増えており、移動せずに効率よく生産性を上げる考え方が、合理性を大切にするオランダ流です。
日本企業とオランダ企業がweb会議で打合せをする場合は時差を考慮し、オランダの午前中、日本の夕方によく行われます。
※日本とオランダの時差はサマータイムで7時間、冬は8時間。
オランダの会食マナー
ビジネスランチは、オフィスの会議室でケータリングのサンドイッチが出されることが多いです。
これはワークライフバランスの進んだオランダ社会において、残業をせず時間内に終わらせようという、生産性向上の意識の表れです。
サンドイッチにオレンジジュース、コーヒー、紅茶が基本ですが、温かいスープや揚げたての名物コロッケ「クロケット」が出されたらラッキーです!
細かいマナーなど特に留意点もなく、リラックスして会話を楽しみましょう。
ワークライフバランスの進んだオランダでは、夕食は家族と一緒に自宅で取るもので、ビジネスで時間外まで付き合うことは日常ではありません。
ですが大切なビジネスパートナーが外国からやってきたということで、レストランを予約することもあります。
レストランでの会食はビジネスから一歩話題を広げて、楽しく盛り上がる場となります。ユーモアに富んだネタをいくつか用意し、お互いの人間性や文化に興味を示しながら有意義な時間を過ごしましょう。
「無用の用」という言葉があるように、余談を通して感じられた人間性により有機的な人間関係が築け、ビジネスも成功へと導かれることでしょう。
食事のマナー
基本的に朗らかに楽しく食事を楽しむのが一番大切です。
しかし、熱いものを飲むときにすするなど、食事の際に音を立てるのはマナー違反です。
アルコールのマナー
たしなむ程度に、食事の流れに合わせてリラックスして会話が弾むよう、各自調整しましょう。
グラスが空になる前に注ぎ足す習慣はないので、それぞれのペースを尊重し、注ぎ足す際には本人の希望を聞いてからにしましょう。
支払いのマナー
招待した側が食事代を負担することが多いです。しかし、会食が連日続く場合など、状況によっては負担をした方が良いこともあるかもしれません。迷ったら相談してみると良いでしょう。
またお会計として記載されている金額に、5-10%のチップを足した金額を支払います。お釣りが正確に戻された場合には、上記相当額をテーブルに残して立ち去ります。
カードで支払う場合には、チップを含め切りのいい金額に繰り上げたうえで、支払います。
オランダのビジネスマナーまとめ
- オランダでは形式的なビジネスマナーはない
- 意思表示を明確に、簡潔に伝えることが大切
- 相手を尊重しつつ、自分の立場を主張すること。
- ユーモアを大切に
さてオランダ企業との商談を予定され、これを読まれた皆さんは、いよいよ商談に向けて心の準備が出来たことでしょう。これらを留意され、信頼関係を築いていけば、きっと素晴らしいビジネスパートナーになられることでしょう。
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