南アフリカの展示会に行こう!海外進出・販路開拓のための海外展示会

南アフリカの市場調査、パートナー企業探しには、展示会に出展または参加する方法があります。出展する企業から業界に関わる主要ブランドや関連企業について知る事ができ、またトレンドなどを体験として理解することができます。

一般向けに開催している展示会では、来場する訪問者の年齢・性別・興味を見ることで、ターゲット層を掴むことができるので、机上の調査では図れない要素を知る絶好の機会です。年間100近くもの展示会が開催される南アフリカの様々な展示会を、分野ごとにまとめてご紹介します。

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南アフリカで注目の一般向け展示会 

南アフリカワイン

南アフリカの展示会にはどんなものがあるのか、なかなかイメージの沸かない方が多いのではないでしょうか。しかし、南アフリカと聞いて、すぐにワインを思い浮かべた方もいるのでは。最初はワイン展示会のご紹介です。

Propak Cape

展示会場:Cape Town Convention Centre 
来場者数:6,000人 (2020年)

ワインの展示会、フェスティバル、試飲会などは常に開催されていますが、特に注目なのはこのケープタウンで行われるワインとオリーブの展示会、Propak Capeです。ケープタウンのある西ケープ州にはStellenbosch、 Franschhoek,、Paarl、 Constentiaなどの地方にワイン農場が広がっていて、560のワイン製造社の他に、ブティックワイナリーと呼ばれる小さな農場は4400あると言われています。大自然の中にある贅沢なワイナリー巡りと併せて、この展示会に参加すると南アフリカのワインの事がよくわかりそうです。

オリーブオイルはイタリアやギリシアなどの地中海地方というイメージがありますが、南アフリカの急速なオリーブオイルの生産量と品質は目覚ましい向上を遂げています。ワインの育つ土壌と気候がオリーブにも合っているということで近年オリーブ栽培に力を入れる世界のワイン生産者たちですが、南アフリカは2022年、世界各国で開催される国際オリーブオイルコンテストで金銀銅の賞に輝いています。展示会は、これからワインの輸入を考える人も、単にワインが好きな人も楽しめるイベントです。南アフリカのオリーブオイルが受賞した、この長~いリストを御覧ください!

南アフリカではワインの他にもクラフト・ジンやクラフトビールなどの醸造が流行しています。食に関しても、マカダミアナッツの生産が盛んだったり、はちみつが世界的に有名だったり、と様々な魅力があるので、ヨハネスブルグで行われるFood and Drink展示会、Africa’s Big 7も要チェックです。(Africa Big 7は関係業者向けのイベント。詳しくは輸出入のカテゴリーで紹介しています。)

ゲーミング展示会

南アフリカは、隠れたゲーム大国。南アフリカでは2022年現在、アフリカ最大のビデオ ゲーム市場で、国内の映画や音楽の市場を追い越しています。アフリカ全体でもゲーム人口が飛躍しており、アフリカの言語に対応するゲームも増えています。若者人口の増加する唯一の場所であるアフリカ大陸は、未来の仮想通貨の市場としても注目されてます。

rAge Expo

展示会場:Gallagher Convention Centre
来場者数:35,615人 (2019年) 

熱狂的なゲームファンが集まる rAge expoでは、ゲーム、テクノロジー、ガジェットの集まる「オタク ライフスタイル エンターテイメント」の3日間が繰り広げられます。

主催者マーケティング部によると、今年の来場者は過去最高の3.9万人を達成する予定。「長年のオンラインの友達がついに実際に会う場所としても利用され、現実から逃れて同じ情熱を共有する人々に囲まれることができるイベントだ」と熱く語ります。これまで参加者の多くはヨハネスブルグに住む南アフリカ人で、周辺のアフリカ諸国からの参加者は100人~200人だったそうです。

しかし今年はアフリカ大陸の住民に向けたゲームトーナメントを実施しているため、より多くの外国人が参加すると見込んでいます。

展示会では、ゲームだけでなく漫画、ボードゲーム、最新ロボット、ドローン、さらにコスプレコンテストが開催されます。NAGが主催する BYOC (bring-your-own-computer/console) LAN (Local Area Network) という展示会場では、自分のゲーム機を会場に持ち込んで 72時間ゲームをできるイベントが催されます。このイベントの参加人数は、なんと1,000人〜2,000人。ゲーマーが一度にその会場に集まった様子は、壮絶です。

最後に、ゲームやオタクと言えば日本、というのは今も世界で変わらないのか?について質問しました。ゲーム部門ではバイオハザード (英名Regident Evil)、ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、ゼルダの伝説などが根強い人気を保っているようです。コスプレ部門では原神が大人気で、コンテスト出場者の3分の1を占めるそうです。これもまた、新しいビジネス展開のヒントになるかもしれませんね。

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日系企業が注目する展示会

IT関係 

Africa Tech Festival

展示会場:Cape Town Convention Centre とオンライン
来場者数:15,000人

Africa Tech Festivalはアフリカ最大の通信、メディア、テクノロジー イベントで、ライブとオンラインの両方での参加が可能です。「より効率的で包括的なデジタル大陸のために、技術とエコエンタープライズを繋げる」事をモットーに、コネクティビティ、モバイル技術、光ファイバーブロードバンド、ICTなど、どの分野でも情報収集とネットワーキングをすることができます。オンラインでも参加できるので、アフリカ進出を考えるIT業界企業は、この展示会は絶好の機会です。

展示会会場では、直接展示者と会って話ができるので、マーケティングやネットワーキングの機会になります。こちらのフロアプランを見ると、ブースの数や展示する会社名、配置スペースなどが見えて出展・参加のイメージが掴めそうです。

また、プロジェクト、製品、アイデアなどの11のカテゴリーで優秀賞を競うコンテストAfrica Tech Festival Awardsもメインイベントの一つです。カテゴリーはその年によって変わりますが、2022年の賞だと、ヘルスケアを推進した技術、投資によりビジネスを成長させる技術、金融サービスと情報技術を結びつけたフィンテック、持続可能なエネルギーソリューションの開発と提供をリードする技術などがあります。前回2019年のカテゴリーと優勝者たちは、こちらのビデオで見ることができます。

5日間に渡って開催されるこのイベントのスピーカーは、全部で450名。スピーカーのプロフィールやテーマは、このページで確認できます。アフリカで今何が問題視され、どのような技術によりその問題を解決していくのか。また、誰がそのリーダーとなっているのか、そんなアフリカの今が見えてきそうなイベントです。

観光

Travel INDABA

展示会場:Durban ICC (International Convention Centre)
来場者数:2656社、119ヶ国 (2008年) 

INDABAとは、アフリカ南部に住む多数の民族の言語の源となるバントュー語で「深刻な話題について議論し合う会議」という意味があります。このTravel INDABAでは、南アフリカまたは南アフリカ諸国の観光協会や観光局に属する出展者と世界のバイヤーが出会い、アフリカの旅について話し合う場で、アフリカ諸国の観光地やアクティビティについて知ることができます。また、航空会社、輸送会社などの業者とも面直で話し合うことができるので、新規ビジネスの契約をする機会でもあります。バイヤーとして参加する資格があるのは、マーケティング会社、オンライン予約会社、ツアーオペレーター、旅行代理店、航空会社、輸送などの業種です。

プログラムの参加者は、4つ星ホテルに4泊、空港ーホテルー 展示会への送迎などが含まれたパッケージツアーへの参加になるので、交通の便やセキュリティーの心配なくイベントを楽しむことができます。ミーティングを含めた参加イベントの数は1日あたり10件ほど。カテゴリー、国、地域でフィルタリングすることのできるオンラインツールで予定を組めるので、有意義な4日間を過ごすことができます。

また、ケープタウンとヨハネスブルグで開催されるAfrica Travel Weekにも参加すると、アフリカのトレンドと未来を見ることができ、ここに行くだけで楽しい旅になりそうです。今年のヨハネスブルグ、サントン市のイベントILTM Africaでは、ビール観光について紹介され、南アフリカの新しい観光の切り口を紹介しました。LGBTQ+のタブーについて熟知することで同業に差をつけるという新しい動向も話題となりました(記事はこちら)。

ILTMの3日間のイベントの翌日から、ケープタウンでWorld Travel Marketが3日間開催されます。2022年はスポーツ、映画、旅行と技術、LGBTQ、女性と旅行、トレンドリサーチなどの幅広いテーマについて話すスピーカーから、アフリカの今を知ることができるイベントとなりました。
*アフリカの画像 INDABAのウェブサイトよりhttp://sat.greatstock.co.za/ImageGalleryDisplay.aspx

貿易関係展示会

日本は、南アフリカとどれくらいの貿易関係があるのでしょう?意外に深い関係にあり、日本は南アフリカの第5番目に大きな輸出国です。輸出に関する展示会を見る前に、南アフリカの貿易と、日本との関係を簡単に見てみましょう。

南アフリカから輸出南アフリカに輸入
1中国 (12.3%)中国 (19.9%)
2アメリカ (8.1%)アメリカ (8.1%)
3ドイツ (7.6%)ドイツ (7.6%)
4日本 (6.3%)日本 (6.3%)
5モザンビーク (4.9%)モザンビーク (4.9%)
日本との貿易総額40 億ドル。主な輸出はプラチナ ($24.3億)、鉄鉱石 ($3.2億)、自動車 ($2.9億)。1995年の総輸出額は25.4億ドルで、年率1.83%増加している。総額16.8 億ドル。自動車($3.0億)、部品、付属品($1800万)、バス
($1450万)。1995年の総輸入額は30億ドルで、年率1.83%増加している。

OEC World 貿易データ
南アフリカ国税局貿易データ

JETROでは、南アフリカで開催される物流と貿易に関する展示会としては、以下のような展示会を勧めています。ネットワーキング、新規ビジネス構築、インフラ、未来構造を理解して視野を拡げ、アフリカへの進出と販路拡大に繋がるアイデアや人脈を作るためには、以下のような展示会があります。

Air Cargo Africa

入場資格 : ビジネス関係者
入場方法 : 公式ウェブサイトからの事前登録
展示会場:Emperors Palace Hotel, Johannesburg
出展対象品目:航空会社、空港、貨物取扱会社、チャーターブローカー、エクスプレスサービス、貨物輸送エージェント、航空会社および空港向けIT機器および制御システム、物流および輸送用ITシステム、航空貨物業界向け物流機器、物流サービスプロバイダー、セキュリティサービス、宅配便サービス、通関業者、eコマースサービスプロバイダー、輸出業者/配送業者、輸入業者/演奏業者、パレットロジスティクス、保管および配送機器 、など

Transport Evolution African Forum & Expo 

入場資格 : ビジネス関係者
入場方法 : 公式ウェブサイトからの事前登録
展示会場:Durban ICC (International Convention Centre)
出展対象品目:港湾インフラ・拡張、港湾運営、セキュリティ・情報技術、鉄道車両・機関車、鉄道インフラ整備、海運、物流、道路

Africa Big 7

入場資格 : ビジネス関係者
入場方法 : 主催者に問い合わせ
展示会場:Gallagher Convention Centre
出展対象品目:食品:油脂、乳製品、肉・家禽類、穀物・穀類、食品加工、冷凍・冷蔵品、魚介類、果物・野菜、菓子類、ソース・調味料、スパイス、乾物、菓子類、デザート、缶詰。飲料:乳製品、ジュース、エナジードリンク、水、ソフトドリンク、コーヒー、ワイン、スピリッツ、ビール、お茶、健康飲料。テクノロジー:IT/ソフトウェア、ロジスティクス、厨房機器、コールドチェーン、包装資材、在庫管理、梱包・棚入れソリューション、小売技術、保管・倉庫、包装機械、保存のための冷蔵・空調設備。新しいトレンド:非遺伝子組み換え、植物性タンパク質、ビーガン、健康、ウェルネス。油脂、乳製品、小麦粉

関連する世界の展示会/JETRO

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まとめ

南アフリカで開催される展示会は、アフリカ大陸中を巻き込むイベントが多く、この国で開催される展示会への参加は「アフリカを知り、アフリカでのネットワーキングをできる機会」と言えそうです。

IT、ゲーム、食、地球環境など、世界のトレンドと共に前進するように、南アフリカが大陸を率いていると感じました。日本はアフリカから飛行機で最低20時間はかかることもあり、中々情報が入りにくく、想像がつきにくい場所ではありますが、一度展示会に参加してみるとしっかりとした情報が掴めそうです。

また、展示会で話される言語はほとんど全てが英語となるでしょう。情報収集、ネットワーキングでは円滑な会話をする英語力が必須であるため、OCiETeから通訳を雇う、オンライン会議などで時間単位の通訳を頼む、などの方法がお勧めです。みなさんの世界進出の成功を応援しています。

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海外展示会の準備〜アフターフォローも対応「OCiETe(オシエテ)」

OCiETeでは海外展示会に際する準備からアフターフォローまでサポートしております。現地通訳者のアテンドや、業界ごとに専門知識を有する通訳者のご紹介もできます。

展示会・見本市・エキスポの通訳や企画書カタログの翻訳など、シーンに合ったプランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

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北澤Noziセカビズライター
通年20年の海外経験があり、南アフリカと日本を行き来する生活を送っています。市場調査員として南アフリカの企業と関わり、フィールドワークの中で見えてきた「今、南アフリカで起こっていること」を日本の方と共有する記事を書きます。興味のあることは人権、環境、ビジネス、社会問題、サブカルチャーなどのジャーナリズム。趣味は料理とキャンプです。