2026年の台湾情勢

2026年の台湾情勢

エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。

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2026年を迎え、東アジアの地政学リスクは新たな局面に入っています。昨年末から続く中国軍による台湾本土包囲を想定した大規模な軍事演習は、2026年に入ってもなお常態化しており、台湾海峡における軍事的緊張はかつてないほど「慢性的な高水準」にあります。

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警戒すべきは「偶発的な衝突」

しかし、こうした状況を冷静に分析すれば、直ちに全面的な武力衝突へと発展する予兆というよりは、現状を既成事実化しようとする高度な心理戦としての側面が強く、不必要な不安に陥る必要はありません。

それでも、我々が警戒すべきは「偶発的な衝突」です。軍用機や艦船の距離が極めて近い状態が続く中、人為的なミスや判断の誤りが引き金となり、一気に緊張が沸騰するリスクは否定できません。こうした情勢を受け、台湾やその周辺地域に拠点を置く日本企業は、これまでの想定を一段階引き上げた「駐在員および家族の退避計画」の再検証と強化が求められています。

企業が強化すべきポイントは

具体的に強化すべきポイントは、情報の確度とスピードです。

平時から現地当局や日本大使館、商工会との連携を密にし、有事の前段階である「グレーゾーン事態」の発生をいかに早く察知するかが鍵となります。従来の計画が「空港や港湾が機能していること」を前提としていたのであれば、今後はそれらが制限された場合の代替手段や、通信網が遮断された際の安否確認手段の確保など、より重層的な備えが必要となるでしょう。

また、企業の対応として重要なのは、危機を徒に煽るのではなく、社員が安心して業務に従事できる「安全網」を可視化することです。退避のタイミングを判断する基準(トリガー)を明確にし、それを社内で共有しておくことで、パニックを防ぎ、冷静な判断を下すことが可能になります。

まとめ

2026年の台湾情勢は、緊張の中にあります。この緊張を過小評価せず、かといって過剰に恐れることもなく、最悪の事態を想定しながら最善の準備を進めることが重要です。日本企業に求められているのは、こうした強靭(レジリエント)なリスクマネジメントの姿勢に他なりません。

具体的には、定期的な机上演習を通じてマニュアルの形骸化を防ぎ、現場の声を反映した実効性のある避難訓練を積み重ねることが不可欠です。

また、地政学リスクを単なるコストや脅威と捉えるのではなく、不確実な時代における経営の重要指標と位置づけ、サプライチェーンの多角化やデジタル化による業務継続体制(BCP)の高度化を急ぐべきです。「備え」を組織文化として定着させることこそが、有事において社員の命と企業の未来を守る唯一の道となります。

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