
エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
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2025年8月20日から22日まで、横浜で第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催されました。この会議は、日本政府が主導し、アフリカの開発をテーマに、アフリカ各国の首脳や国際機関、企業が集まる国際的な場です。
TICAD9では、「革新的な課題解決策の共創」をテーマに、経済、平和、社会の3つの柱で議論が行われ、日本企業のアフリカ進出への関心が一層高まりました。アフリカの豊富な資源や若い人口を背景に、成長市場として注目される国々があります。
ここでは、日本企業が進出を検討する可能性が高い国々を筆者の目線でいくつか紹介します。

経済ハブのケニア、アフリカ最大人口のナイジェリア

まず、ケニアはアフリカ東部の経済ハブとして注目されています。首都ナイロビは、テクノロジーやスタートアップの中心地として「アフリカのシリコンバレー」とも呼ばれ、ITや通信分野でイノベーションが活発です。日本企業は、インフラ整備やデジタル技術の提供でケニアの経済成長を支える可能性があります。特に、TICAD9ではケニアのルト大統領と石破首相が会談し、港湾インフラの開発や投資促進での協力を確認しました。日本の技術力は、ケニアのインフラ需要に応える強みとなるでしょう。
次に、ナイジェリアはアフリカ最大の人口と経済規模を持つ国として、日本企業の関心を集めています。石油や天然ガスといった資源に加え、若者を中心にアニメやポップカルチャーの需要が高まっており、日本のコンテンツ産業にとって魅力的な市場です。TICAD9関連イベントでは、ナイジェリアのアニメイベント主催者が日本のコンテンツへの熱い需要をアピールしました。エネルギーやエンターテインメント分野での進出が期待されます。
安定したエチオピアやガーナ、経済大国の南アフリカ
エチオピアも進出先として有望です。近年、経済改革を進め、製造業や農業の近代化に力を入れています。日本企業は、インフラや機械の提供を通じて、エチオピアの建設需要に応える可能性があります。TICAD9では、建設機械メーカーがエチオピア市場での事業拡大を目指す姿勢を示しました。政治の安定性も向上しており、投資環境が整いつつあります。
また、ガーナは、西アフリカでの安定した経済と政治環境で知られ、日本企業にとって魅力的な進出先です。カカオ生産で有名なガーナは、農業技術や食品加工分野での協力が期待されます。TICAD関連イベントでは、ガーナの文化を紹介する企画も開催され、日本企業が現地のニーズに応じたビジネスを展開する機会が広がっています。
最後に、南アフリカは、アフリカ大陸の経済大国として、日本企業の進出先として重要です。自動車や鉱業、再生可能エネルギー分野でのビジネスチャンスが豊富で、日本の先進技術が活用される余地があります。
TICAD9では、イノベーションや持続可能な開発が強調され、南アフリカの都市開発やエネルギー分野での協力が議論されました。
まとめ
これらの国々は、アフリカの成長市場として、日本企業にとって大きな可能性を秘めています。TICAD9を通じて、日本とアフリカの連携がさらに深まり、相互利益を目指したビジネス展開が進むでしょう。
今後、日本企業は現地のニーズを丁寧に把握し、技術やノウハウを活かして、アフリカの持続可能な発展に貢献することが期待されます。