エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
※掲載記事につきましては調査時、投稿時に可能な限り正確を期しておりますが、時間の経過とともに内容が現状と異なる場合がございます。
※掲載記載の内容は、弊社の立場や意見を代表するものではありません。
※提供する情報を利用したことによって引き起こされた損害について、弊社は一切の責任を負いません。
2024年となり早くも2月となりましたが、今月でロシアがウクライナへ軍事侵攻してからちょうど2年をなります。
侵攻当初、ロシアのプーチン大統領は短期間のうちにウクライナの首都キーウを掌握し、ゼレンスキー政権を崩壊させ、親ロシア的な新たな政権を樹立することを考えていました。
しかし、欧米諸国によるウクライナへの軍事支援が強化され、侵攻を続けるロシア軍の劣勢が顕著になっていきました。しかし、ロシア軍がウクライナ領土(東部や南部)に居座る状況は2年が経過しても続いています。
ロシアを巡るビジネス環境は大きく悪化
この2年間で日本企業にとってのビジネス環境も激変しました。
侵攻前、ロシアには多くの日本企業が進出していましたが、欧米や日本などがロシアへの制裁を強化し、外交関係が悪化していくにつれ、マクドナルドやスターバックス、アップルなどの世界的な企業が相次いでロシアから撤退していきました。
日本企業でもトヨタや日産、マツダなど多くの企業が脱ロシアの動きを進めました。現在でもロシア事業を継続している企業もありますが、ウクライナ侵攻によってロシアを巡るビジネス環境が大きく悪化したのは間違いありません。
停戦の可能性は
では、こういう状況はいつまで続くのでしょうか。
ウクライナ侵攻を巡る状況で今後考えうる1つの可能性は停戦です。今年は秋に米国で大統領選が実施されますが、トランプ氏が勝利するシナリオが現実味を帯びてきており、仮にそうなればトランプ氏は真っ先にウクライナに停戦を迫るでしょう。
トランプ氏は大統領に返り咲けば24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる、最優先でウクライナ支援を停止すると言及しています。
しかし、これは米国やロシア(停戦に応じてもプーチン大統領はいずれ戦闘を再開する)が納得するだけで、一部領土をロシアに占領されているウクライナにとっては強制的な停戦となります。
まとめ
一般的に停戦と聞けば、情勢が落ち着く、ビジネスが再開できると考えてしまうかも知れませんが、この停戦によってロシアのビジネス環境が大きく改善することは考えられません。
トランプの米国とバイデンの米国は全くの別物と捉えるべきで、仮に停戦となっても日本や欧州諸国はそれに賛同することはなく、日露関係の冷え込みは続きますので、日本企業にとってのビジネス環境に変化はないでしょう。
日本企業としては、ロシアを巡るビジネス環境が短期的には改善しないという認識が必要です。