邦人拘束について

地政学リスクニュース 邦人拘束について

エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。

※掲載記事につきましては調査時、投稿時に可能な限り正確を期しておりますが、時間の経過とともに内容が現状と異なる場合がございます。
※掲載記載の内容は、弊社の立場や意見を代表するものではありません。
※提供する情報を利用したことによって引き起こされた損害について、弊社は一切の責任を負いません。


コロナ禍も収束に向かう中、日中の間でも国際線フライトがほぼ3年ぶりに通常に戻り、中国から多くの観光客が戻るだけでなく、中国へ向かう日本人渡航者の数も再び増加することが期待されています。

コロナ終焉による日中経済の動き

日本政府はこれまで敷いてきた空港でのコロナ水際対策を5月8日で終了する方針を発表しましたが、対中国では4月5日から緩和されています。これは日中ビジネス関係者にとって大きな動きでしょう。

一方、ニトリホールディングは昨年11月、2023年末までに中国国内で展開する店舗数100にまで拡張する計画を明らかにし、村田製作所も同月、江蘇省にある工場で445億円を投じて生産棟を新たに建設するという最大規模の設備投資を発表しましたが、コロナ終焉によってこういった日本企業の動きが活発化するかも知れません。今後の日中経済に期待するビジネス関係者も多いことでしょう。

国家安全当局による拘束

 しかし、ここで1つ懸念するべき問題が生じています。多くの日本企業が進出する中国で3月末までに、北京で50代の日本人男性がスパイ行為などを取り締まる国家安全当局に拘束されたことが分かりました。

これまでの情報によると、拘束されたのは大手製薬会社のアステラス製薬に勤務する男性で、中国での駐在歴が20年もあり、3月に日本へ帰国予定でした。拘束されたのは正に帰国直前だったとされます。中国外務省はこの男性に対して取り調べを行っていることを認めましたが、中国の刑法と反スパイ法に違反した疑いがある以外、なぜ拘束したのかなど具体的な説明は一切していません。中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、多くの日本企業が進出していますが、今日、日本企業の間では動揺が広がっています。

実は今回のケースを含み反スパイ法などに違反した容疑で拘束された日本人は17人に上り、一昨年1月には反スパイ法に抵触したとして逮捕された男性2人の懲役刑が確定し、2019年9月には中国近代史の研究者が日本へ帰る直前に北京の空港で拘束され、昨年にはスパイ容疑で懲役6年の判決を受け刑期を終えた男性が帰国しました。

3期目をスタートさせた習政権は、この10年で香港国家安全維持法や反スパイ法、国家安全法など国内で反政権的な行動を徹底的に抑え込む政策を強化してきました。そして、昨年末には、中国国内でのスパイ活動の摘発強化を目的とした反スパイ法の改正案が発表され、同案ではスパイ行為の範囲が現行法より大幅に拡大され、中国国家安全当局の権限やスパイ行為による罰則が強化されることになっており、今年夏にも可決され施行される見込みです。

まとめ

 しかし、中国に滞在する日本人が11万人もいることを考えると、実際拘束される確率は極めて低く、これによって中国ビジネスを悲観的に考える必要は一切ないと思われます。どこの国に行ってもその国特有のリスクは存在しますし、以下のようなことに気をつけていればリスクは回避できるでしょう。

  • 中国で生活を送る場合は、現地の人だけでなく日本人との間でも社内や公共の場で政治的発言は控える
  • SNSやネット上でも政治的な書き込みはしない。相手に送らない。
  • 政府機関や人民解放軍、警察関連の施設に長居しない、写メールを撮るとか怪しまれそうな行動は控える

 他にも対策はあるかも知れせんが、以上のようなことを気をつけていれば、中国ビジネスに大きな影響はないと思われます。

海外販路拡大をお考えならOCiETe (オシエテ)

Click me

海外企業とのアポイント獲得でお悩みなら、OCiETeのアプローチ代行サービスがおすすめです。
ターゲットリストの作成から、電話やメールリファラルでのアプローチ代行をご支援いたします。

商談アポイント獲得後は、商談準備のための翻訳や通訳者の同席も対応。
OCiETeではビジネスにおける専門知識はもちろん、各国の言語・文化に精通する通訳・翻訳者が多く在籍しております。商談はもちろん、企画書契約書の翻訳も対応可能。ご依頼内容に沿う最適な人材、プランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

  • 海外企業リサーチ
  • アプローチリスト作成
  • メールアプローチ文章作成
  • メール・架電・リファラル営業代行
  • 商談通訳
  • 資料翻訳
  • 定例MTG
    など、より詳しいサービス内容はこちら

「海外での販路拡大を考えているけれど、リソースがない」
「継続的なアプローチができずにいる」など、海外営業にお悩みでしたら一度ご相談ください。

海外企業へのアプローチ代行サービス▷
シェアもお願いします!

通訳・翻訳・現地アテンドについてなど、ご相談はお気軽にどうぞ!
お問合せはこちら

「現地の市場調査を依頼したい」
「自社の業界に詳しい通訳者・翻訳者はいる?」

など、ご相談やお問合せはお気軽にどうぞ!
(電話問合せはこちら : 03-6868-8786/平日10時~19時)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です