アメリカの病院事情〜医療制度・受診方法・おすすめの病院〜

アメリカは、世界最先端の医療技術と設備を誇る一方で、医療費が高額で複雑なシステムを持つ国として知られています。病気や怪我をした際に適切な医療を受けられるかどうかは、病院選びが大きく左右します。

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アメリカ医療システムの仕組みと特徴

アメリカの医療システムの特徴は、①受けることができる保険サービスを左右する「2つの保険制度」と、②公立と私立の病院、一般医と専門医による役割の違い の2つがあげられます。

公的保険と民間保険わかれる「アメリカの保険制度」

アメリカでは、医療保険が非常に重要です。主な保険には、雇用主提供の保険、政府提供のメディケア(65歳以上または特定の障害を持つ人向け)やメディケイド(低所得者向け)、そして個人で購入する保険があります。保険の種類やカバー範囲によって受けられる医療サービスが異なるため、保険内容の確認が必要です。

公的保険

メディケア: 65歳以上の高齢者や特定の障害を持つ人向けの保険
メディケイド: 低所得者向けの保険

民間保険

雇用主提供の保険: 多くの企業が従業員とその家族向けに提供
個人加入の保険: 個人で加入

メディケアおよびメディケイドの加入者は国民全体の3割に留まり、国民の5割は民間医療保険に加入しています (参考:Mercer「今さら聞けない米国医療保険制度」)

医療環境が異なる「公立病院と私立病院」

公立病院は主に政府や地方自治体によって運営され、一般的には低所得者向けの医療を提供しています。私立病院は民間の運営で、より高品質な医療サービスを提供することが多いです。ただし、医療費は私立病院の方が高額になる傾向があります。

公立病院

・非営利の病院
・低所得者や無保険者でも受け入れ
・一般的に医療費が安い
・待機時間が長い場合がある

私立病院

・営利の病院
・高額な医療費を請求
・最新の医療技術や設備を導入
・待機時間が短い

症状や受診内容で選ぶ「一般医と専門医」

アメリカではまずはかかりつけ医・ホームドクターにあたる一般医を受診します。一般医(プライマリケア医)は幅広い疾患の初期診断と治療を担当。専門医は特定の分野に特化しており、一般医にかかった際に専門的な治療が必要な場合に紹介されます。

一般医

・初診、簡単な治療
・症状によって専門医を紹介

専門医

・特定の分野の専門的な治療
・より高度な医療技術や知識を持つ

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アメリカで有名な病院

ここからはアメリカ国内の有名な病院について各院の特徴を解説していきます。

世界最大級の医療機関「メイヨー・クリニック」

・ミネソタ州ロチェスター市に所在
・消化器内科、心臓病、脳神経外科など、幅広い診療科で世界トップレベルの医療を提供
・患者満足度と治療成績が常に高い
・日本語を含む多言語対応

HP:Mayo Clinic

世界屈指のリハビリテーション病院「クレイグ病院」

・コロラド州イングルウッドに所在
・脳卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷など、あらゆるリハビリテーションプログラムを提供
・最新のリハビリテーション技術を導入
・国際的な評価が高く、世界中から患者を受け入れている

HP:Craig Hospital

カリフォルニア州の著名病院

ロナルド・レーガン UCLA メディカル・センター

ロサンゼルス市にある総合医療機関。心臓移植やがん治療などで世界的に有名な病院。

HP:Ronald Reagan UCLA Medical Center

スタンフォード大学 メディカルセンター

スタンフォード市にある大学附属病院。Stanford Hospital & ClinicとLucile Packard Children’s Hospitalからなり、特に循環器・脳神経・臓器移植・癌などで高い評価を得ている。

HP:Stanford Health Care (SHC) – Stanford MedicalCenter

ニューヨーク州の著名病院

ニューヨーク・プリスビテリアン病院

ニューヨーク市にある総合医療機関。心臓外科や産婦人科などで世界トップレベルの医療を提供している。

HP:NewYork-Presbyterian Weill Cornell Medical Center

マウントサイナイ病院

ニューヨーク市にある大学附属病院。肝臓移植や腎臓移植など、臓器移植分野で特に有名。

HP:Mount Sinai Hospital

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適切な医療機関を見つけるための「病院の選び方」

アメリカでの病院選びはどのようなポイントに気をつけるべきか、下記の通り自身の状態・状況と病院自体の情報を元に病院選びを行いましょう。

アメリカでの病院選びのポイント
  • 症状に合った病院を選ぶ

症状や病状に合った専門医がいる病院を選びましょう。また必要に応じて、複数の病院を比較検討することも必要です。

  • 保険適用の確認

加入している保険で治療を受けられるかどうか、海外旅行保険に加入している場合は補償内容を確認しておきましょう。

  • 施設の設備と技術力のチェック

施設の清潔さや、最新の医療機器導入・医療技術についてあらかじめ確認しておけると安心です。

  • 海外からの患者受け入れ態勢

英語に不安がある方は、通訳や翻訳サービスを提供している、もしくは日本語対応の窓口がある病院を選ぶと良いでしょう。

  • 国際患者向けのサービス

短期滞在の場合は特に食事や宿泊の手配について事前に調べておきましょう。

  • 口コミや評判

インターネットで口コミによる評判、短期滞在の場合は契約している旅行会社に相談するのも手です。

よくある疑問・質問(FAQ)

アメリカでの医療費はどのくらいかかるのか?

アメリカの医療費は高額で、保険がない場合はさらに負担が大きくなります。事前に治療費の見積もりを確認することが重要です。

特に高額な「ニューヨークの医療費」

ニューヨーク・マンハッタン地区の医療費は特に高額で、他の区の2~3倍にも上るそうです。

種類料金
一般の初診料約150~300米ドル
専門医の初診料約200~500米ドル
入院室料約2,000~3,000米ドル/日
虫垂炎入院・手術(1日入院)約1万米ドル以上
歯科治療約1,000米ドル/本
ニューヨークの医療費(出典:損保ジャパン「【アメリカ合衆国の医療費】都市別の医療費と事例」

外国人がアメリカで病院を利用する際の手続きは?

アメリカではほとんどの病院で事前予約が必要です。電話やHPから予約し、その際自分の医療保険が使用できるかの確認します(保険会社のカスタマーサービスへの問い合わせを行なっておくとより安心です)。

病院では健康保険カードの提示と必要書類の記入、受診を経て必要であれば検査、また薬が必要な場合は院外処方のため薬局で薬を購入します。

診察後の窓口で保険会社で決められている窓口負担金を支払い、診療内容に関する請求は後日自宅に送られてくるものを支払います。

支払いにクレジットカードは使えるのか?

多くの病院の窓口で支払い時クレジットカードが利用できますが、事前に使用可能か否か確認をしておいた方が安心です。

アメリカでおすすめの病院は?

病院の選び方は症状や治療内容によりますが、メイヨー・クリニックやニューヨーク・プリスビテリアン病院などの大規模で評価の高い病院です。

Newsweek発表の「WORLD’S Best Hospitals 2023」では、1位にメイヨー・クリニック、2位はクリーブランド・クリニック、3位はマサチューセッツ総合病院が選ばれています。

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まとめ

アメリカの医療システムは日本と異なり複雑な面がありますが、保険の適用範囲や病院の設備、口コミを参考にすることで適切な医療機関を選ぶことができます。英語が不得意な方は、通訳サービスをはじめとした国際患者向けのサービスが充実している病院を選ぶのがおすすめです。

地域によって医療費が異なり、一概に都市部が高いというわけではないため、事前の保険適用範囲確認はしっかり行なっておく方が安心です。短期滞在で海外旅行保険等を利用している場合は、自身で病院予約を入れる前にサービス窓口に連絡を入れ、受診の手続きを行うとよりスムーズでしょう。

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フリーライター。海外へのソロ旅が趣味で、行き先は「できるだけ日本語が目に入らないところ」。よりローカル感が強い環境を好み、各国のスーパーはマストでチェックします。英語上級者ではない自分が各国に行った際の経験も織り交ぜつつ、皆様に役立つ情報をご紹介していきます。