もくじ
グローバル化が進む現代、日本独自の商品やサービスが世界中から注目を集めています。しかし、単に商品が優れているだけでは海外市場で成功することはできません。海外展開では、異なる文化、法律、市場ニーズに対応しなければならず、注意すべき点も多くあります。本記事では、日本ならではの商品・サービスの海外展開における実践的なヒントと、新たなビジネスチャンスについて解説します。
日本ならではの商品・サービス事例
まずは海外から注目され人気を集めている日本ならではの商品・サービスを例に、海外の方により魅力的に伝える方法・ネーミング、今後考えれる新たなビジネス展開を解説していきます。
食品・飲料分野:抹茶製品
抹茶は抗酸化作用をもつカテキン、腸内環境を整える食物繊維、リラックス効果をもたらすアミノ酸テアニンなどが豊富に含まれており、海外では「スーパーフード」として注目されています。
2015年前後にニューヨークで抹茶カフェのブームが起き、アメリカ、ヨーロッパ、中東など世界各地に拡大しました。北米の抹茶市場は2024年に5.6億ドル(約860億円)規模へと拡大し、今後5年間で年8.3%成長が続くと予測されています。
海外への説明方法
抹茶を海外展開する際は、以下のポイントを押さえた説明が効果的です。
- 健康効果の明確化:抗酸化作用、集中力向上、カロリー燃焼効果など具体的なベネフィットを数値で示す
- 文化的背景のストーリーテリング:茶道や禅の精神性を絡めた「体験価値」の訴求
- 使用シーンの提案:コーヒー代替、ヨガ前後、スイーツ素材など、現地のライフスタイルに合わせた活用法
英語ネーミング例
- “Matcha Wellness” – 健康志向層向け
- “Zen Energy Matcha” – エネルギードリンク代替として
- “Premium Ceremonial Matcha” – 高級茶道グレード
- “Everyday Matcha Boost” – デイリーユース商品
ビジネスチャンス
スターバックスが抹茶ラテをメニューに導入し人気を博したほか、ニューヨーク発の「MatchaBar」や「Cha Cha Matcha」といった抹茶専門店が成功しています。今後のチャンスとして下記のようなチャンスが考えれれます。
- Z世代向けのSNS映え商品企画
- オーガニック・サステナビリティを前面に出した差別化
- 抹茶スキンケア製品への展開
- ビジネスパーソン向けの「集中力向上」商品開発
生活用品・技術分野:温水洗浄便座(ウォシュレット)
日本での温水洗浄便座の一般家庭での普及率は82.5%に達し、生活必需品となっています。一方、海外での普及率はアメリカで10%未満、中国ではわずか5%未満という状況です。
しかし、TOTOは2017年3月決算で海外売上高1,281億円を達成し、中国が49%、アジアとアメリカがともに24%を占めるなど、着実な成長を遂げています。特にコロナ禍の2020年1~3月期、米国での売上高は前年同期比約2倍に急増しました。
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海外への説明方法
温水洗浄便座を外国人に説明する際は以下のように、効果や用途について説明を加えるとより良い反応を得ることができるでしょう。
- 衛生面のメリット強調:”Reduces paper waste by 80%” (紙の消費を80%削減)
- 快適性の訴求:”Spa-like comfort at home” (自宅でスパのような快適さ)
- 高齢者・医療用途:”Ideal for elderly and medical care” (高齢者や医療用途に最適)
- 環境への配慮:”Eco-friendly alternative to toilet paper” (トイレットペーパーの環境に優しい代替)
英語ネーミング例
- “Comfort Toilet System” – 快適性重視
- “Bidet Spa Seat” – 欧米でのビデとの関連付け
- “Smart Hygiene Toilet” – テクノロジー感の演出
- “WellnessCare Seat” – ウェルネス市場へのアプローチ
ビジネスチャンス
ロンドンとパリの5つ星ホテル約200軒のうち4割超で、スイートルームなどにTOTOのウォシュレットが設置されており、高級ホテル市場が有望です。その他のチャンスとしては下記のような展開が考えられます。
- スマートホーム製品としてのIoT連携
- 高齢化社会を迎える国々(欧米・アジア)への展開
- 医療施設・介護施設向けB2B市場
- サステナビリティを重視する企業・施設への提案
商品の魅力を海外市場に正確に伝えるには、専門的な通訳サービスが不可欠です。特に抹茶の「旨味」や温水洗浄便座の「快適性」といった日本独特の概念を外国語で説明する際、文化的ニュアンスを理解した通訳者の存在が成功の鍵となります。商談や展示会では、商品の技術的特徴だけでなく、背景にある日本文化や使用体験を適切に伝えられるプロの通訳サービスを活用しましょう。
サービス・体験分野:おもてなし文化とカプセルホテル
日本の「おもてなし」は、顧客の期待を超える細やかな配慮と心遣いを特徴としています。そうした「おもてなし」を感じられる場として、旅館や日本文化を取り入れたホテルは引き続き海外の方から高い人気を得ています。また近年では日本独自の宿泊形態の「カプセルホテル」も注目されています。
海外への説明方法
- おもてなし:”Omotenashi – Japanese hospitality that anticipates guest needs before they ask”(尋ねられる前にゲストのニーズを予測する日本式ホスピタリティ)
- カプセルホテル:”Space-efficient accommodation with privacy and comfort in urban centers”(都市部でプライバシーと快適性を備えた省スペース型宿泊施設)
英語ネーミング例
- “Omotenashi Experience” – 体験型サービスとして
- “Micro-Stay Pod” / “Urban Sleep Capsule” – カプセルホテル
- “Japanese Hospitality Premium” – 高級サービス
- “Zen-Stay Experience” – 禅の要素を加味
ビジネスチャンス
日本ならではのサービス・体験分野においては、今後下記のようなビジネス展開が考えられるでしょう。
- バーチャル体験ツアーのオンライン販売
- インバウンド観光客向けの文化体験プログラム
- 海外都市部での日本式カプセルホテル展開
- おもてなし研修サービスの海外企業への提供
海外ビジネス情報をお届け
- 井元産業株式会社「海外で抹茶が人気が出ている背景とその楽しみ方について」
- グローバルビジネス研究所「海外での抹茶ブーム徹底調査」
- btrax「抹茶がアメリカでバズってる5つの理由」
- 株式会社中原電気商会「海外で温水洗浄便座が普及していない理由とは」
- Digima「TOTOの海外事業」
- 日本経済新聞「TOTOウォシュレットを世界の高級ホテルに普及させた秘策」
- PRESIDENT Online「コロナで意外な展開「日本のハイテク便座」がアメリカで爆売れ」
日本企業の事例から見る海外展開を成功させるポイント
実際に自社の商品・サービスを海外に展開させる場合は何を重視すべきか。日本企業の事例を交えご紹介していきます。
文化適応の重要性
マンダムは単なる輸出企業ではなく、現地の生活者に「お役立ち」するという理念のもと、富裕層ではなく大衆層をターゲットとし、小袋パッケージで購入しやすい価格設定を実現しました。現地のニーズに合わせたカスタマイズが成功の鍵です。
ストーリーテリングの活用
森永製菓のハイチュウは、2014年頃にボストン・レッドソックスの田澤純一投手がチームメイトに持ち込んだことでメジャーリーガーの間で話題となり、アメリカ全土に人気が広がりました。商品が「なぜ日本で生まれたか」のストーリーを伝えることで、差別化につながります。
ローカライゼーションの必要性
日清食品は現地の味を再現した地域最適な商品設計を行い、M&Aやアライアンスを活用して効率的に販路を拡大し、世界100カ国以上で販売するに至りました。単なる翻訳ではなく、文化的翻訳が必要です。
デジタル活用
TikTokでは#matchaの総視聴回数が230億回を突破し、若年層の「健康-エンタメ飲料」として定着しています。SNSやECを活用したグローバルマーケティングが重要です。
商品パッケージ、Webサイト、マーケティング資料の翻訳は、ブランドイメージを左右する重要な要素です。単なる言葉の置き換えではなく、ターゲット市場の文化的背景を理解した翻訳が求められます。例えば、抹茶を「Green Tea Powder」と訳すだけでは魅力が伝わりません。「Premium Japanese Matcha – Ancient Superfood for Modern Wellness」のように、価値を適切に表現できるプロの翻訳サービスの活用をお勧めします。誤訳はブランドイメージを損なうリスクもあるため、専門家への依頼が賢明です。
新たなビジネスチャンス
日本ならではの商品・サービスをもとに、今後どのようなビジネスチャンスを考えていきます。
海外在住日本人向けサービス
味千ラーメン世界14カ国に出店し、海外展開を加速させています。海外在住日本人や日本食ファン向けの商品、日本ならではを残しながら海外文化を取り入れた商品開発もビジネスチャンスの一つです。
文化体験のオンライン化
コロナ禍を経て、バーチャル体験ツアーや茶道のオンラインレッスンなど、文化体験のデジタル化が進んでいます。地理的制約を超えて日本文化を体験できるサービスには大きな可能性があります。
B2Bマッチングビジネス
JETROを中心とした「新輸出大国コンソーシアム」では、海外展開を図る中小企業に対してワンストップで総合的なサポートを実施しています。日本企業と海外バイヤーの橋渡しを行うマッチングサービスは重要な役割を果たします。
リバースイノベーション
海外市場で得たフィードバックやトレンドを国内市場に還元することで、新たな価値を創出できます。アイリスオーヤマは「現地生産、現地販売」を徹底して貫き、現地の学生を積極的に採用し、インドネシアやタイ、台湾など6か国でシェア1位を獲得するなど、現地化と本社へのフィードバックを効果的に活用しています。
まとめ
日本の商品・サービスには世界で勝てるポテンシャルが確実に存在します。成功には、適切な言語・文化のサポートが必須です。グローバルマーケティングを成功させるためには、マーケティングリサーチをしっかりと行い、現地の生活・文化に合わせてローカライズし、マーケティングに関する現地法規制を確認することが重要とされています。
海外展開では、まずは小さく始めることが重要です。テストマーケティングを実施し、市場の反応を見ながら徐々に展開を拡大していきましょう。そして、商談や交渉、マーケティング資料の作成においては、専門的な通訳・翻訳サービスを積極的に活用することで、あなたの商品の真の価値を世界に届けることができます。世界市場への第一歩を、今日から踏み出してみませんか。
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