もくじ
「この英語、なんで通じないんだろう?」職場で外国人の同僚と話していて、そんな経験はありませんか?単語も文法も合っているはずなのに、相手が首をかしげる。お客様対応でも、英語で説明したつもりが全く伝わらない。
実は、私たちが「英語」だと思って使っている表現の多くは、ネイティブスピーカーには理解できないものが少なくありません。その原因は、和製英語、直訳による誤解、そして文化的な背景の違いにあります。
この記事では、海外の方と接する機会が多い方に向けて、よくある「通じない英語」の例と、相手に確実に伝わる表現方法をご紹介します。明日からすぐに使える実践的な内容ですので、ぜひ参考にしてください。
和製英語の落とし穴
日本では当たり前に使われているカタカナ語が、実は英語圏では全く通じない「和製英語」である場合が多くあります。特にビジネスシーンでは、この和製英語が原因で重要な商談や会議で誤解が生じることもあります。
よくある和製英語の例
ビジネスシーンでよく使われる和製英語には注意が必要です。「アポを取る」と言っても、「apo」では全く通じません。正しくは「make an appointment」や「schedule a meeting」と表現します。「サービス残業」も和製英語で、英語では「unpaid overtime」が適切です。
IT関係では「ノートPC」が代表例です。英語では「laptop」や「notebook computer」と呼びます。また、「デスクトップPC」も「desktop computer」と言う必要があります。
日常会話でも誤解を招く表現があります。「マンション」は英語では大邸宅を意味するため、集合住宅なら「apartment」や「condo」が正解です。「コンセント」は「outlet」や「socket」、「ホッチキス」は発明者の名前由来の日本独自の呼び方で、英語では「stapler」です。
相手が理解できない表情を見せたり、「Sorry?」と聞き返されたりした時は、和製英語を使っている可能性があります。そんな時は、別の単語で言い換えたり、具体的に説明したりする準備をしておきましょう。「つまり…」と前置きして、「I mean…」や「In other words…」を使って説明し直すことが大切です。
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直訳では伝わらない日本語表現
日本語を直訳しても、文化的背景が異なるため、意図したニュアンスが伝わらないことがよくあります。特に、日本独特の敬語や丁寧語、曖昧な表現は、そのまま英語にしても相手に誤解される可能性があります。
敬語・丁寧語の表現
「お疲れさまでした」を「You are tired」と直訳すると、相手は「疲れているように見える?」と困惑してしまいます。この挨拶は、状況に応じて「Good work today」(今日はお疲れさま)や「Have a good evening」(お疲れさま、良い夜を)と表現するのが自然です。
「よろしくお願いします」も直訳が困難な表現の一つです。「Please treat me favorably」では不自然すぎます。初対面なら「Nice to meet you」、色々サポートを受ける・受けた際は「I appreciate your help」、チームワークを求める場面では「I’m counting on you」など、状況に合わせて使い分けることが重要です。
ビジネス特有の表現
ビジネスシーンでは、日本の曖昧な表現が特に誤解を招きやすくなります。「検討します」を「I will consider it」と言うと、前向きに検討するという印象を与えてしまいます。慎重に検討したい場合は「I’ll think about it」の方が適切です。
「ちょっと難しいですね」という断り文句を「It’s a little difficult」と言うと、努力すれば可能だと受け取られがちです。断りたい場合は「I’m afraid that might not be possible」とはっきり伝える方が親切です。
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文化的な違いを理解する
日本では相手への配慮から曖昧な表現を好む傾向がありますが、欧米では直接的でクリアなコミュニケーションが重視されます。「NO」を言う時も、日本のように遠回しではなく、理由を添えてはっきりと伝えることが相手にとって分かりやすく、結果的に良好な関係を築けます。
重要な商談や会議では、プロの通訳サービスの利用を検討しましょう。単なる言葉の変換ではなく、文化的なニュアンスも含めて適切に伝えてくれます。オンライン通訳サービスなら、リモート会議でも気軽に利用できます。
誤解を招きやすいカタカナ語
日本語として定着しているカタカナ語の中には、元の英語とは異なる意味で使われているものがあります。これらの表現を英語圏の方に使うと、意図しない誤解を招く可能性があります。
意味が変化している例
「クレーム」は日本では苦情という意味で使われますが、英語の「claim」は主張や要求を意味し、必ずしもネガティブな意味ではありません。苦情を表現したい場合は「complaint」が適切です。顧客からの苦情処理について話す時は「handle customer complaints」と表現しましょう。
「スマート」も注意が必要な単語です。日本では「細い」「洗練された」という意味で使いますが、英語では「賢い」「知的な」という意味が主流です。体型について言いたい場合は「slim」、デザインについては「sleek」が適切です。
「デリケート」も微妙なニュアンスの違いがあります。日本では「繊細な」「傷つきやすい」という意味で使いますが、英語では「微妙な」「扱いにくい」というニュアンスが強くなります。
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ビジネスでの注意点
「プレゼン」は「presentation」として通じますが、「プレゼン資料」を「presentation materials」と言うより「presentation slides」や「PowerPoint slides」の方が一般的です。また、「アフターケア」は「after-sales service」や「customer support」と表現する方が明確です。
「コンプライアンス」は英語でも使われますが、日本では「法令遵守」という狭い意味で使われることが多いのに対し、英語では「要求や規則への従順さ」という広い意味で使われます。文脈を明確にして使用することが大切です。
実際の場面での対処法
英語でのコミュニケーションにおいて、相手が理解していない時のサインを素早く察知し、適切に対処することは重要なスキルです。完璧な英語を話せなくても、相手との意思疎通を図る方法はたくさんあります。
相手が理解していない時のサイン
相手が困惑している時のサインを見逃さないようにしましょう。表情が曇る、眉をひそめる、首をかしげるなどの非言語的なサインがあります。また、「Pardon?」や「Sorry?」を繰り返したり、会話が不自然に止まったりする時も理解できていない可能性があります。
「I see」や「OK」と言いながらも、実際には理解していない場合もあります。相手の反応をよく観察し、本当に理解しているかどうかを判断することが大切です。
誤解を生まないための対処法
理解されていないと感じた時は、まず言い換えを試しましょう。「つまり…」の意味で「I mean…」や「In other words…」を使って、別の表現で説明し直します。抽象的な説明が理解されない場合は、「For example…」と言って具体例を出すことも効果的です。
相手の理解度を確認することも重要です。「Does that make sense?」(理解できましたか?)や「Am I explaining this clearly?」(分かりやすく説明できていますか?)と尋ねることで、相手も質問しやすい雰囲気を作れます。
自分の英語力に不安がある時は、素直に相手に頼ることも一つの方法です。「How do you say… in English?」(英語で…は何と言いますか?)や「What’s the right word for…?」(…の正しい単語は何ですか?)と尋ねることで、相手も積極的にコミュニケーションに参加してくれます。
事前準備のコツ
よく使う日本語表現の英語版をリストアップして準備しておくことが重要です。業界特有の用語や、自分の業務でよく使う表現は、事前に調べて練習しておきましょう。同僚や友人と英語での会話練習をすることも効果的です。
また、スマートフォンの翻訳アプリを活用することも現実的な対処法です。完璧を求めすぎず、「伝わればOK」という気持ちで臨むことが、継続的な英語学習にもつながります。
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まとめ
英語でのコミュニケーションにおいて最も大切なのは、完璧な英語を話すことではなく、相手に自分の意図を正確に伝えることです。和製英語や直訳による誤解を避け、相手の文化的背景を理解することで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
間違いを恐れずに積極的に英語を使い、相手の反応を見ながら表現を調整していく姿勢が重要です。今回紹介した例やフレーズを参考に、明日からでも実践してみてください。継続的な学習と実際の会話経験を積むことで、必ず「伝わる英語」が身につきます。
何より、相手とのコミュニケーションを楽しむ気持ちを忘れずに、国際的な環境での仕事や交流を充実させていきましょう。
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