エクスレバン
これまで渡航した国は40カ国以上 大学時代から国際経済を学び、現地に赴いて調査を行ったり、政治や経済について執筆活動を行っている。趣味はサーフィンと妻とショッピング。コロナ禍が終わりを迎えるなか、今後は中東やアフリカ方面への現地取材を検討中。
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米中対立や台湾情勢、ウクライナ侵攻など今日の国際社会は多くの難題がありますが、東南アジアでは著しい経済成長を示す国々が多く、日本企業にとってベトナムやタイ、インドネシアといった国々は進出先に欠かせません。
日中関係の冷え込むにより、近年これまでの中国依存を見直そうとする動きが日本企業の間では広がっており、ASEANの重要性は高まる一方です。ASEANは今後も高い経済成長を続けることが予測されていて、ASEAN諸国と如何に強い結び付きを持続できるかは、今後の日本経済にとって至上命題といって過言ではないでしょう。
ASEANの分断
しかし、これまでASEANはその一体性、地域的協調・協力といったイメージが先行してきましたが、近年はASEANの分断という課題が顕著に見られます。最近、南シナ海では岩礁の領有権を争う中国とのフィリピンとの間で緊張が高まっています。
中国当局の船舶がフィリピン船に意図的に衝突したり、放水銃を浴びせるなどの事件が相次いで発生し、中にはフィリピン船の乗組員が負傷するケースも報告されています。それによって、ASEANの中でもフィリピンは中国に対抗していく姿勢を鮮明にし、安全保障面で米国との関係を強化するなどしています。
また、ロシアによるウクライナ侵攻によって欧米諸国など40カ国あまりはロシアへの制裁を続けていますが、ASEANではシンガポールのみが欧米と足並みを揃えており、フィリピンやシンガポールは外交的に欧米寄りと言えるでしょう。
中国関係を重視する国や、ASEAN最大国家インドネシアの動きは
反対に、ラオスやカンボジア、ミャンマーなどは欧米より中国との関係を重視しています。
ラオスは長年中国から多額の財政支援を受け、それによってインフラ整備を強化し、ラオスの首都ビエンちゃんと中国南部・昆明を結ぶ高速鉄道は中国資金によって開通しました。カンボジアも同様に中国による一帯一路プロジェクトの恩恵を受け、交通や湾岸のインフラ設備が強化され、今日カンボジアの学校では中国語を学ぶ学生が増えるだけでなく、首都プノンペンを通る環状道路は中国の習近平国家主席の名前を冠した習近平大通りと命名されるなど中国の影響力が極めて強まっています。
一方、ASEAN最大の国家であるインドネシアは、米中がASEANを舞台に覇権争いを進めることに不満を募らせています。インドネシアの政府高官らは、ASEANの米中対立の新たな場所にしてはならない、大国は結局自分のことのしか興味がないなど先進国への不満を示しており、中国に付くか米国に付くかではなく、そもそも両国とは一定の距離を置き、独自の外交的立ち位置を作ろうとする動きも見られます。
まとめ
以上のように、ASEANと言えば一体性、地域的協力といったイメージが先行しますが、近年は米中対立もあってかASEAN各国によって対中関係、対米関係が大きく異なり、外見的にはASEANの分断というものがいっそう顕著に見られるような状況です。
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