公的機関の支援と補助金を活用!海外進出をスピードアップする方法

海外展開の準備は色々とありますが、「何を準備するのか」からの情報収集が海外進出の成功につながります。それぞれの準備段階に於いて、様々な公的機関が中小企業や個人事業主が無料で受けられるサービスを提供していますので、これを利用しない手はありません。

この記事では、「公的機関を最大限に利用して海外進出を成功させる」方法をご紹介します。無料で受けられるサービスに特化しているため、資金繰りが難しい方も、公的機関の支援を利用すればチャンスを掴んで大きなビジネスチャンスを得られることでしょう。

海外進出への準備を加速するためには、海外ビジネスサポートを利用するのもおすすめです。OCiETe(オシエテ)ではビジネス展開に向けてリサーチや、海外企業へのアプローチなど幅広くサポートいたします。

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海外進出で公的機関を利用するメリットとは?

海外でビジネスを展開したいと考えた時の一番初めのステップである情報収集。経験豊富で確かな情報を提供する公的機関の海外進出支援を頼りにしたいのは、こんな場合です。

  • 海外進出先の基本的な情報、制度や規制を確認して進出の可否を判断する。
  • 貿易に必要なプロセス、リードタイム、コストを理解しリスク管理をする。
  • 書類とモノの動きを把握し、必要書類を正しく用意してビジネス展開をする。
  • 融資や専門家などの紹介を受けて、海外進出に不足する部分を補う。

以上の事は、もちろん海外進出の準備の一部ですが、こういった部分の支援を受けることで確実な情報を元に計画を進められるだけでなく、より早く海外進出の展開をすることができます。また、セミナーや展示会、規格など公的機関が中心となっている活動に参加することで、同じ目的を持った他企業との情報交換の場や、ビジネスが飛躍するチャンスに巡り会うこともあるでしょう。

現在だと、経済産業省の「クールジャパン」や、「JAPANブランド」「ECモール」などの企画に参加することができれば、目的を共有する他社とビジネスを展開する相乗効果を期待することもできます。各活動については、後ほど記事の中で詳しくご紹介します。

様々な公的機関が、中小企業や個人事業主が無料で受けられるサービスを提供していますので、これを利用しない手はありません。どの段階で、どのサービスを、何の目的で利用するのが効果的なのでしょうか?

北澤Nozi

まずは「公的機関」とは、どのような媒体を指すのかを定義しましょう。

公的機関
  • 公共のために業務を行う機関。
  • 国や自治体の公共機関、行政機関や独立行政法人などを指します。
  • 多くの場合、〇〇庁、××省、△△局、□□所などの名前がついている、またはその管轄にある。

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日本の公的機関の支援内容は、驚くほどたくさん!

海外展開準備の段階ごとに必要になる支援と、主要公的機関が提供している支援を表にまとめました。どの機関に、どういった支援が期待できるのかが見えてきます。

海外展開準備段階に対する主要公的機関の支援
(出典:各機関のHPより。地方自治体については、東京都経済産業省労働局中小企業振興公社情報を代表として紹介)

1)全国商工会連合、東京商工会議所

国内の事業に関しては、経営相談、福利厚生、法律や税金に関するアドバイス、事業資金を受けるための推薦などの支援を行う中小企業と個人事業主を含む小規模事業者です。登録している専門家は全国で3,000名。弁護士、税理士、公認会計士、弁理士、中小企業診断士、技術士等を無料で派遣し、事業者の課題を専門的見地から解決方法を検討するというサービスもあります。

海外進出の際にも、商工会として相談内容に対応できない場合は、市場調査や海外信用調査をする「エキスパート企業」との橋渡しをしています。日本全国に網羅されたネットワークから選ばれた業績と信用のある専門家が紹介される仕組みです。

海外支援については、東京商工会議所(以下略名、東商)の支援活動が特に盛んです。東商の入会資格は東京23区で営業をする商工業者となっていますが、「東商の趣旨に賛同する方は誰でも」特別会員としての入会資格があります。東京都以外の事業主でも、東商の海外支援やアドバイスを受けることができます。支援事例の一覧をこちらでご参考ください。

2)中小企業庁

中小企業(定義)が事業活動の機会を得られるための、企業の育成や諸条件の確立を支援する機関です。無料で受けられる海外支援サービスには、一般的な海外展開相談と国際ビジネスマッチングサイトサービスがあります。国内外企業が投資、合併・技術提携、貿易等の希望案件をインターネットから直接登録、または検索・閲覧し、希望に合った相手企業に直接コンタクトできるデータベース、TTPP(Trade Tie-up Promotion Program)も無料で提供されています。実践的な支援としては、対象国または投資予定地域での現地調査にアドバイザーが同行するサービスがあります。

また、低利の各種融資制度を紹介したり、債務の保証をしたりという支援が充実しています。平成27年には「中小企業越境ECマーケティング支援事業」として、越境ECサイトに対して補助金が受けられる企画もあるので、補助金に対しての情報も収集しておくと良さそうです。

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3)地方の経済産業局と自治体

国内地方部と海外とのつなぎ、地域資源を活用して地域の振興を応援する活動があります。自らの地域に存在する多様で豊富な資源を知り、強み・魅力の可能性に気づく 活用する資源を選ぶ・組み合わせるという考えがベースにあります。

海外展開により地域振興に取り組むガイドブック(国土交通省国土政策局総合計画課

地域経済産業の振興のため、各都道府県の経済産業局が様々な海外支援を提供しています。地域によって支援の内容は異なりますので、活動の盛んな以下の各地の情報をご参考に比較してみてください。

北海道経済産業局
東北経済産業局
関東経済産業局
中部経済産業局
近畿経済産業局
中国経済産業局
四国経済産業局
九州経済産業局
内閣府沖縄総合事務局

また、各都道府県で独自の海外支援団体、(例、北海道岐阜県産業経済振興センター沖縄国際物流ハブ活用推進事業 海外展開支援)、経済産業局の派生グループ(例、東京都中小企業振興公社(東京都産業労働局)愛知県経済産業局産業部産業立地通商課 海外展開支援グループ)など、地域により様々な活動が行われています。自社の商品の販路拡大だけではなく、地域にも貢献できるようなプロジェクトに結び付けることでこういった支援を受けて海外進出を成功させることができそうです。

4)日本貿易振興機構ジェトロ

ジェトロは、海外ビジネスの成功を目指す企業に向けて海外経済・貿易情報の入手を支援することを目的とした政府機関です。ビジネスニュース(政治・経済動向、制度情報、マクロ経済や各種産業等に関する統計、市場動向など)を、国内外120カ所を超える事務所から収集しているので、確かで新鮮な世界各国の情報を取得するには最適な機関です。

輸出入や海外進出の実務の相談に対しては、個別に相談ができる無料サービスがあります。相談の申し込みはオンライン、または直接相談することができます。有料、無料問わず、相談内容によって対応可否を判断されるため、輸出事業者やメーカーが直接相談窓口に相談する必要があります(国内事務所一覧海外事務所一覧)。

何と言っても心強いのは、インコタームズ(貨物の流れ)の情報、インボイスや必要書類の作成、輸出入にあたる規制の確認などを含めた貿易相談窓口です。関税率についても、世界各国の関税率、目的別に検索することができるHPを利用することができます(日本在住企業のみ)。経済連携協定(Economic Partnership Agreement:EPA)についてのアドバイス (EPAの活用法、マニュアル)、EPA利用にあたって必要な書類を作成できるツールも提供しています(原産地証明ナビ)。貿易に関する規制や手続きで間違いの起こらないように、必ず確認を取りたい機関です。

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5)外務省

外務省は各関係庁省と連携を取り、企業の海外進出を支援しています。政治経済情勢、各種規制などの他、治安状況や生活環境を正確に把握するためのアドバイスを依頼することができます。各国の基礎データについては、各国の大使館のHPで確認することができます。外務省が提供するサービスの一覧では、「在外公館・外務本省への相談」、「情報収集・調査」、「普及活動」、「グローバル人材の活用」、「安全対策」が挙げられています。

ほぼ全ての在外大使館、総領事館に「日本企業支援窓口」があります。大使館や総領事館の施設を活用した企業や商品等プロモーションの場を設ける支援、それから事業者や現地の政府・メディア関係者等を招待してもらえる場合もあります。事業の展開を考えている国でこういったイベントを設け、実際に現地の人の反応を見ることが可能になるのは素晴らしい支援です。

6)国際機関、現地政府機関、有料サービス

こういった機関を併用して利用することで、日本の公的機関のデメリットを解消することができます。日本の公的機関のみを使うデメリットは、以下のような点が考えられます。

  • 独自のサービスに特化した調査結果がない
  • もっと広い範囲の基礎データを絡めて評価したい
  • 競合他社と人気の理由を調査したい

より詳細な調査結果を無料で取得するには、各国政府の国勢調査や、政府が発表しているデータが有力な情報となるでしょう。国全体ではなく、地域ごとの統計、男女・年齢別の比較などを見る事ができます。

時代の波に乗って海外進出をスピードアップ

公的機関が打ち出す支援プログラムに即したビジネス展開をすることで、補助金を受けて海外進出をスピードアップさせることができます。日本独自の文化や地域物産を海外展開する事業とIT事業が現在のトレンドとなっているようです。

JAPANブランド育成支援事業

中小企業省の主催するJAPANブランド育成支援事業は、全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得を支援するプログラムです。新商品・サービス開発や販路開拓・ブランディング等の取組みに対し、経費の一部が補助されます。

GビズID

GビズIDは、法人・個人事業主向け共通認証システムで、取得すると行政サービスの補助金情報に一括アクセスできます。Gビズは行政サービスのアカウントを一元化するシステム。IT導入制度を50%まで補助するIT導入補助金、国や自治体の補助金であるjGrants、自治体の感染症対策補助金などを一括調査することができます。行政サービスの一覧表は、こちらで確認できます

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クールジャパン

「日本らしさを、もっと世界へ」をスローガンに企業や個人事業主の海外進出を支援するプログラムです。支援内容は技術、映像、アパレル、食品、加工食品、日本酒、ヘルスケア、教育、などの多様なカテゴリーがあります。こちらで投資中の案件一覧を確認することができますが、ご参考にいくつか事例をここで挙げていきます。

  • 教育コンテンツ等を国内外に発信する国産プラットフォーム事業

株式会社ラフ&ピース マザー

Cool Japan、吉本興業、日本電信電話株式会社(NTT)の3社からの支援を受けて、日本発の良質な教育等コンテンツを日本国内及びアジアを中心とした海外に展開する。
様々なメディア・コンテンツ事業の経験とネットワークを活かし、アジアそして全世界の多くの子どもたちに楽しんでもらえるようなコンテンツを発信。これを通じて次世代に多くの日本ファンを獲得するとともに、インバウンド促進や地域経済活性化への貢献を目指しています。

  • 日本発「デザイン×テクノロジー」を活かした近距離モビリティの企画・開発・販売事業

WHILL株式会社

従来の車椅子とは一線を画すデザイン性や、最先端技術を結集したオムニホイールによる走破性・小回りの良さが特徴のモビリティ製品「WHILL」。機能美・ミニマリズムといった国産デザインの特徴と日本の技術力を融合した製品により、日本の高品質、デザイン力発信をすることが狙い。日本各地のものづくり工場の後続につながることも期待されています。

  • 海外展開を目指す日本の映像コンテンツ制作を支援するファンドを設立

ジャパンコンテンツファクトリー投資事業有限責任組合

Cool Japanは、NTTぷらら、YDクリエイション、文藝春秋、イオンエンターテイメントとともにファンド運営会社「株式会社ジャパンコンテンツファクトリー」を設立。海外展開を目指す日本の映像コンテンツ制作を支援するため、合計51.5億円が投資されています。優れた企画・制作力を有する映像制作会社に対し資金調達のプラットフォームを提供し、国内コンテンツ産業の発展及び海外への日本コンテンツの魅力発信に貢献することが目的です。

  • ロンドンで日本食文化の魅力を発信する飲食・小売事業へ出資

Ichiba UK Limited

ロンドンにおいて日本食文化の魅力を発信するため、日本食に関する飲食・物販・デモンストレーション・プロモーションが一体となった賑わいのある空間を創出することが目的。多彩で優れた地域食材・商材の海外進出を支援するとともに、世界有数の情報発信拠点であるロンドンで事業展開することで、日本食文化に対する世界の人々の理解促進を目指しています。

まとめ

この記事では公的機関による海外進出アドバイス、貿易実務の支援、補助金制度についてまとめました。ジェトロと外務省の支援については。こちらの「記事のタイトル」で調査結果を詳しく取り上げていますので、是非ご参考にしてみて下さい。また、こちらの記事では日本以外の機関から新鮮で信頼のおける情報を取得する方法についてもご紹介いたしました。

また、「現地視察で市場調査を行う方法」、「リサーチサービスを利用して情報収集を行う方法」の記事も併せてご参考いただければ幸いです。皆様が自社の製品や戦略に合った公的機関や民間サービス、または現地協力者に出会い、ビジネスの海外展開に成功されることを応援しております。

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北澤Noziセカビズライター
通年20年の海外経験があり、南アフリカと日本を行き来する生活を送っています。市場調査員として南アフリカの企業と関わり、フィールドワークの中で見えてきた「今、南アフリカで起こっていること」を日本の方と共有する記事を書きます。興味のあることは人権、環境、ビジネス、社会問題、サブカルチャーなどのジャーナリズム。趣味は料理とキャンプです。