生活必需品からインフラまで!台湾と日本の物価比較-駐在・留学等長期滞在予定の方必見!

台湾の物価は日本より安いだろうという漠然としたイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は世界中の都市物価のデータを収集しているデータベース(Numbeo)の情報と筆者の実体験を元に台湾の物価について解説していきます。

ひがし

本記事では世界中の都市物価のデータを収集しているNumbeoのデータベースを用いて、台湾の物価目安表を作成し、台湾の物価について考察しました。

Numbeo: 世界中の都市や国々の生活情報を記録するデータベース(英文)で、世界中のあらゆる地域の生活コスト、不動産価格、ヘルスケア、交通情報、犯罪率、人口等さまざまな情報を調べることが可能です。

台湾の物価について・日本との物価比較 

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Numbeoによると国別の物価ランキングで日本は15位、台湾は36位にランクインしています。

順位国名生活コスト指数家賃指数生活コスト+家賃指数食品・日用品指数レストラン指数購買力指数
15日本77.0325.8653.0481.3145.487.11
36台湾62/3517.6941.4276.1929.4258.35
Numbeoを元に作成

                         

日本では東京、台湾では台北が物価が一番高い都市です。
両都市を比較した場合のNumbeoの評価は下記の通りです。 

  • 東京で65万円/月の生活をしている場合、台北で同様の生活をするのには48万円/月かかる。
  • 台北の物価は東京より26%安い。
  • 台北の家賃は東京より30%安い。
  • 台北のレストランは東京より24%安い。
  • 台北の食費・日用品は東京より17%安い。

首都の暮らしで比較すると、台湾の方が家を借りても、物を買っても、レストランで食事しても一般的には日本より安いものと推測できます。

台北市の家賃比較

台北市は中華民国(通称:台湾)の首都で、政治・経済・文化の中心地です。
人口は2022年3月時点で249万人です。
公益財団法人日本台湾交流協会|台湾に関する基礎知識

Numbeoの分析によると台北の家賃は東京の家賃より3割~4割程度安い傾向にあります。
台湾の場合は日本と違い「家具・家電付き」が一般的なので、更に割安感があります。

賃貸のタイプ東京の家賃相場指数台北の家賃相場指数差異
1ベッドルームアパート(市中心部)148,03889,847-39.32%
1ベッドルームアパート(郊外)83,92558,439-30.37%
3ベッドルームアパート(市中心部)327,895198,816-39.37%
3ベッドルームアパート(郊外)183,333129,990-29.1%
(単位:円) |Numbeoを元に作成
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台湾の家賃は日本より安いですが、以下のデータを見る限り、不動産を購入する場合には台湾が逆転して日本より高くなります。

不動産購入東京台北差異
1平米あたりの単価(市中心部)1,280,0002,020,000+58.34%
1平米あたりの単価(郊外)780,0001,080,000+38.85%
(単位:円) |Numbeoを元に作成

地域による家賃の差異

若干例外もありますが、家賃に関しては概ね、台北>台中>高雄>台南の傾向があります。

一昔前は「高雄が台湾第2の都市」というイメージがありましたが、台中の最近の発展は目覚ましいです。  

賃貸のタイプ台北台中台南高雄
1ベッドルームアパート(市中心部)89,84745,25534,48044,157
1ベッドルームアパート(郊外)58,43933,13326,72232,633
3ベッドルームアパート(市中心部)198,816109,90597,406126,606
3ベッドルームアパート(郊外)129,99080,04377,58069,499
(単位:円) |Numbeoを元に作成

生活必需品の物価

台湾は地元のスーパーに加え、カルフール、コストコ等の外資系のスーパーも各地にあり、買物に困ることはありません。また物価も全般的に安いです。

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日用生活で必要となる雑貨は、日本と同じようにダイソー等の100均で揃えることが出来るので便利です。値段は日本より若干高い程度なので、特に気になるレベルではないと思います。
もう少し良いものが欲しい場合には「無印良品」「ニトリ」「IKEA」もあります。このジャンルに関しては、日本と同等もしくは高い傾向があります。

日用品東京台北差異
洗濯洗剤540340-37.04%
ティッシュペーパー378318-15.87%
トイレットペーパー350280-20%
革靴(ビジネス用)15,58316,345+4.89%
ジーンズ(リーバイス501)6,73610,485+55.71%
夏用ドレス(ZARA,H&Mなど)5,0454,271-15.34%
(単位:円) |Numbeo/フィールドリサーチを元に作成

台湾でのドラッッグストア・

日本の薬は台湾の人には大人気ですが、薬事法の関係もあり台湾で販売されている日本の薬は主に健康食品・ビタミン剤・整腸薬等で種類は多くありません。

そのため台湾人が日本に旅行した時に、日本の薬はお土産として大量に買われています。

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私も日本に一時帰国する時に台湾人の友人から頼まれるお土産の定番でもありました。常備薬等は日本から持参されることをお薦めします。

ちなみに、居留証を取得し台湾に長期滞在する日本人は、外国人であっても台湾の全民健康保険に加入する義務が生じます
保険を適用して病院を利用できるようになるので、準備する日本の薬は必要最小限でいいでしょう。

台北駐日経済文化代表処|台湾の国民健康保険制度について

台湾の食費と外食費

 食品

Numbeoによれば台北のレストランは東京に比べると24%安いです。
食料品については、全般的に安いですが、牛乳やタマゴのように日本より高い例外もあります。

食品東京台北差異
牛乳(1L)187407+117.54%
食パン(500g)220243+10.41%
米(1kg)494415-15.92%
たまご(12個)251390+55.55%
チーズ(1kg)2,10722,18+5.3%
鶏肉(1kg)1,0911,218+11.66%
牛肉(1kg)3,1682,805-11.49%
りんご(1kg)1,044627-39.91%
バナナ(1kg)462287-37.86%
オレンジ(1kg)822356-56.69%
トマト(1kg)733426-41.85%
じゃがいも(1kg)655365-44.19%
玉ねぎ(1kg)540302-44.11%
レタス(1玉)193237+22.51%
水(1.5L)144147+2.5%
(単位:円) |Numbeo/フィールドリサーチを元に作成

アルコール・嗜好品

嗜好品東京台北差異
ワイン(中位)1,2001,727+43.91%
ビール(0.5L)290222-23.49%
輸入ビール(0.33L)398348-12.54%
タバコ(マルボロ:20本)590561-4.88%
(単位:円) |Numbeo/フィールドリサーチを元に作成

外食

台湾では日本と比べる家で自炊する比率が一般的に低いです。

日本でもコロナが流行してからは「テイクアウト」することも普及してきましたが、台湾の食堂では何でも「外帯(テイクアウト)」できるので大いに活用されています。

以下のNumbeoのデータにある安価なレストラン以外にも、更に庶民的な食堂や屋台もあり、外食メインの暮らしでも食費を抑えることは可能です。

外食東京台北差異
レストラン(安価)1,000648-35.24%
レストラン(中位・2名でコース料理を頼だ場合)6,0005,181-13.66%
マクドナルド(セット)700648-7.49%
生ビール(500cc)590259-56.10%
カプチーノ478421-11.8%
(単位:円) |Numbeoを元に作成
ひがし

例えば 私のコロナ前の普通の一日の食事を例にすると、朝昼晩+おやつを全て外食で済ましても約1,200円位でした。

台湾の光熱費や通信費などのインフラは安い?

電気・水・ガス等の公共料金は日本よりかなり安いです。

携帯電話は居留証を取得しない短期滞在の場合には、プリペイド式のSIMカードを利用する事になります。その場合でも日本より安いです。

インターネットも普及しており、素人の私にとっては全く問題のないレベルです。

ひがし

特にSNSは多くの台湾人が利用しています
日本ではほとんど使用していなかった私でしたが、台湾人の友人から勧められ、FBとLINEを始めました。

公共料金東京台北差異
基本(電気・暖房・水・ゴミ処理)
※85㎡のアパートの場合
23,6939,478-60.00%
携帯電話利用料(プリペイド1分あたり)5022-55.26%
インターネット(60Mbps以上、無制限、光/ADSL)4,4253,217-27.29%
(単位:円) |Numbeoを元に作成

         

 交通費

台湾の交通費は日本に比べるとかなり安いです。

交通費東京台北差異
片道切符200108-46.04%
定期券10,0005,526-44.74%
タクシー(初乗り)480302-37.04%
タクシー(1km)440108-75.47%
タクシー(待ち時間:1時間)3,3881,295-61.78%
ガソリン(1L)167133-20.27%
(単位:円) |Numbeoを元に作成

参考までに台北の地下鉄の片道キップの料金を確認すると、日本円換算で約86円~280円、一日パスでも647円と格安です。

台湾には日本製の新幹線も走っており台北から高雄まで乗車しても約6,422円です。
この区間は東海道新幹線の東京と名古屋の距離とほぼ同じで、日本なら11,300円かかりますから台湾の料金はかなり安いです。

台北市と高雄市は「捷運(地下鉄)」があり外国人にも便利に公共交通機関を利用できますが、その他の地方都市では非常に不便です。
従い、地方ではタクシーに頼らざる得ませんが、上記の通り利用料金は日本と比べると非常に安いです。

医療保険

台湾には日本の国民健康保険に似た「全民健康保険」という国民皆保険の制度があり、台湾に長期滞在する(6カ月以上)外国人も保険加入の義務が生じます。

毎月の保険料も、医療サービスを受けた場合の自己負担額も安価なので、国民皆保険制度の無い国と違って医療に関する悩みは少なくすみます。
台北駐日経済文化代表処|台湾の国民健康保険制度について

ちなみに医療の質・量や保険制度等を評価するNumbeoのヘルスケアのランキングでは台湾は何と世界1位の評価となっています。日本は3位でした。

Numbeoより
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なお、私が台湾で駐在していた時には幸いなことに病院のお世話になることはなく、全民健康保健が活躍することはありませんでした。

しかし、針灸の類の診療所も保険が使えたので、たまに肩こり・腰痛の治療で活用しました。費用は非常に安く、数百円払う程度だったと記憶しています。

台湾の生活費まとめ

 日本と台湾の物価を比べた場合はモノによって違ってきますが、全般的に台湾の方が安いと言えます。

台湾の駐日大使が今年の3月末にSNSに書き込んで話題になった内容をご紹介します。

日幣不斷貶值,最近曾跌到125円換一美元,相對台幣換日幣也略升值,所以看東西,好像相對便宜,中午在車站附近餐廳,看到牛排、炸豬排套餐都含稅1000日円,還附白飯、高麗菜沙拉、味噌湯和飲料,換算台幣近230元左右,過去日本是吃住最貴,我不知台北現在餐廳套餐多少?但似乎相距已經不大了!

翻訳:
為替が1ドル125円になり台湾の通貨も日本円に対して強くなっています。日本の駅周辺のランチのビーフステーキやトンカツの定食は税込みで1,000円で食べられる。日本はかつては食費や家賃が世界で最も高い国でした。台北の今現在の定食は幾らするのか詳しくないが、日本との差は既にあまり大きくないのでは。

謝長廷Facebookより

台湾に進出した日本の外食チェーン店の価格は、本家日本よりも価格が高いことが台湾のニュース番組で紹介されていました。

ニュース内の印象的なコメントでは、「台灣的薪水還沒超越日本,是物價先超越日本(台湾の給料はまだ日本を越えていないが、台湾の物価は先に日本を追い越した)」とコメントしました。現時点では一部の現象に過ぎませんが、近い将来に台湾の物価が日本を追い越す事もあるかも知れません。

交通費東京台北差異
平均月給 (手取り)384,588206,206-46.38%
20年住宅ローン固定金利1.12%1.65%+47.88%
(単位:円) |Numbeoを元に作成

Numbeoには台湾の平均給与やローン利子に関するデータもありました。

台湾の所得は日本より低く、ローンの金利は高いです。一見したところ、台湾の物価が日本より安い以上に所得が低く、金利が高いように思え、台湾の一般庶民の生活は意外に楽ではないのかも知れません。

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ひがしセカビズライター
長年リーマンパッカーとして世界50数か国を訪問しました。このところはほぼバックパッカー専業になっていましたが、残念ながら今はコロナの影響で家でゴロゴロする日々です。過去の旅の記憶に浸りながら、再び海外に行ける日を夢見てます。